第31回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会 決勝
試合日時:2007年08月05日(日) 18時00分キックオフ
得点ボード
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- [試合時間]
- [スタジアム]
- [観 衆]
- [気温 / 湿度]
- [天候 / 風]
- [ピッチ状態]
- 90分(延長20分+PK戦)
- 横浜市三ツ沢公園球技場
- 2,252人
- 30℃/73%
- 晴、弱風
- 全面良芝、乾燥
- [コミッショナー]
- [主 審]
- [副 審]
- [第4の審判]
- [記 録]
- [HOME/AWAY]
- 笠鳥 雅仁
- 蒲澤 淳一
- 中原 美智雄、岡野宇広
- 赤沼 潤也
- 瓦吹 鷹英
試合経過(得点、選手交代、警告、退場)
前半21分[得点] | 安田 晃大 | |
前半23分[得点] | 吉本 和平 | |
前半27分[警告] | 安田 晃大 | |
前半33分[得点] | 宇佐美 貴史 | |
中倉 拓(out) → 佐藤 和弘(in) | 前半39分[交代] | |
須崎 恭平 | 後半13分[警告] | |
原田 開 | 後半16分[得点] | |
上村 岬(out) → 原田 涼太(in) | 後半20分[交代] | |
山本 康裕 | 後半23分[得点] | |
後半24分[得点] | 大塚 翔平 | |
高瀬 雄大(out) → 杉本 直人(in) | 後半27分[交代] | |
鈴木 翔悟(out) → 加藤 潤(in) | 後半33分[交代] | |
杉本 直人 | 後半39分[警告] | |
後半39分[交代] | 橋本 純希(in) ← 前田 岳(out) | |
後半44分[交代] | ブルーノ カスタニェラ(in) ← 田中 裕人(out) | |
メンバー表
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スタメン |
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控え選手 |
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吉田 光範 | 監 督 | 島田 貴裕 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
中継レポート
- 試合前
- 三ツ沢競技場は、よく晴れた空の下、涼やかな風が吹いている。
第31回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会 決勝。ジュビロ磐田ユース vs ガンバ大阪ユース。いよいよ決戦のとき。
前の試合でけがをした加藤充がメンバーから外れ、吉田監督はバックラインに2年生高瀬雄大を入れてきた。この大事な試合に責任の大きな仕事を託された高瀬に期待がかかる。その他のメンバーは、今までの5試合と同じ。ベンチには、井上麦が入った。
今日は白いユニフォームで登場のジュビロ。対戦相手のガンバユースは前回優勝チーム、2連覇を狙っている。しかし、ここまで来ればもう相手は関係ない。とにかくあと一つ。自分たちのサッカーをするだけ。
試合前から両チームのサポーターがゴール裏で激しい応援を繰り広げている。90分後に笑うのはどちらだ!?まもなくキックオフ!
- 前半15分まで
- 静かな立ち上がりの試合内容とは対照的に、スタジアムにはジュビロ、ガンバ両チームサポーターの激しい応援が響いている。選手の表情は落ち着いているように見える。右サイドバックに入った高瀬も、落ち着いてプレーしている。
前半7分、ガンバ田中からパスを受けた池がゴール正面でシュートを放つも、GK赤堀が落ち着いてキャッチ。
前半8分、ゴールを持っている選手へのプレッシャーが甘く、ガンバにミドルシュートを打たれてしまうが、ゴール左へ外れる。試合序盤、ゆっくりと試合に入ったジュビロユースだが、ボールにはもう少し厳しく行きたいところ。ややガンバのペース。
前半12分、ガンバの大塚がスルスルとドリブルで上り、シュートを打たれてしまうが、最後にミートせず、GK赤堀がキャッチ。
前半13分、ガンバDFからボールを奪った押谷が、自分で持ち込んでシュートするも、サイドネット。
前半15分、左サイドを中倉拓がドリブルし、中の押谷にパスするが、押谷へのマークがきつく、ガンバDFに奪われてしまう。
- 前半30分まで
- 前半18分、こぼれ球が原田開に渡り、攻撃のチャンスだったが、前線へのフィードは相手がクリア。こぼれ球を拾った押谷が、苦し紛れのミドルシュートを放つが、ミートしない。
前半20分、ピンチを切り抜けた直後、山本康裕→原田開へパス。原田開が押谷に当て、自分が前に出てボールを受けるが、芝に足を取られ転んでしまう。
前半21分、ガンバに中央を突破され、入り込んできたガンバ安田がシュート。これが決まってしまい0-1.
前半23分、ガンバ右サイドからのロングパスにFW吉本が頭であわせゴール。あっという間に0-2にされてしまった。失点してプレーが消極的なジュビロ。下がらずしっかり前に出たい。
前半27分、押谷を倒したガンバ安田に警告。
風がほとんどなくなった。ピッチ上は湿度が高そうで、プレーが切れると、選手が水分補給をする。
前半30分、左サイド中倉が中の押谷にパスを出すが、うまくトラップできない。
- 前半終了まで
- 前半31分、ガンバ右サイドの田中がゴール前にクロスをあげ、ゴール前に走りこんだ大塚がヘディングするも、オフサイドの判定。ジュビロDF、人をつかまえ切れていない。
前半33分、ガンバ宇佐美が強烈なミドルシュート!GK赤堀が手に当ててはじくも、ボールがクロスバーに当たり、その跳ね返りが赤堀の背中に当たってゴールに入ってしまった。不運な失点!前半で0-3の劣勢。
この失点で、前半終了前ではあるがジュビロベンチにメンバー交代の動き。ベンチメンバー全員がウォームアップに動く。ピッチ上では、ガンバの攻撃に翻弄されているジュビロ。攻撃のチャンスになっても、ガンバにがっちり守られて、パスの出しどころがない。
前半39分、ジュビロ左サイドの選手交代。中倉拓→佐藤和弘。
前半40分、ガンバDFの内田が攻撃参加し、シュートを放つも、ゴールの左に外れる。
ジュビロいいところがないまま前半終了。運動量が少なく、さらに失点も重なってかなり消極的。自分たちのサッカーが全くできないまま終わってしまった。今大会通じて最も悪い出来。ハーフタイムに気持ちを切り替えて、後半は人とボールが動くサッカーが見たい。
- 後半15分まで
- ハーフタイム、両チームメンバー交代はない。サイドが変わって、ジュビロがホームのサポーターに向かって攻める。ここまで来てくれたサポーターのためにも、目の前でゴールを決めたい。後半はジュビロのキックオフでスタート。
後半立ち上がり、ジュビロは前半よりも動きがよくなり、ボールを持ったガンバの選手にしっかりプレッシャーをかけようとする意識を感じる。
後半4分、ガンバ左からのFK。ジュビロDFが頭でクリアし、CKに変わる。1回目のCKもジュビロDFがクリアし、再度CK。2回目のCKは、一度はクリアするも、再攻撃を仕掛けたガンバ大塚がシュート。ゴール右へ外れる。
後半6分、中盤で山本康裕がボールをキープ。ドリブルで相手をかわし、右の原田開に出すも、原田もガンバDFにマークされていてうまくつながらない。
後半8分、押谷がゴールに向かって強引にドリブル突破。ペナルティエリア内で相手と接触して倒れるも、ノーファウル。
後半10分、須崎から前線へのロングフィード。浮き球に押谷とガンバGKが競り合い、最後は押谷の頭が勝つが、ボールはわずかにゴール枠の左へ外れる。惜しい!このプレーで押谷が頭を押さえて倒れるが、しばらくして起き上がる。
後半14分、鈴木翔悟が右サイドをドリブル突破、ゴール前に走り込んだ佐藤に絶妙のマイナスのパスを出すが、この絶好のチャンスに佐藤のシュートはゴール上へ外れる。惜しい!
- 後半30分まで
- 後半16分、右サイドの原田開が、目の覚めるようなミドルシュート!クロスのようにも見えたが、ボールはそのままゴールに吸い込まれる!ジュビロ1-3.反撃ののろしを上げる!
得点をあげてから、ジュビロのリズムが断然よくなった。パススピードが、前半とは全く違う。
後半20分、ジュビロボランチを替える。上村岬→原田涼太。
後半21分、佐藤和弘が粘ってシュート!しかし枠を外れる。
後半22分、山本康裕からのフィードを受けようと走りこんだ押谷がペナルティエリア内で倒され、PKの判定。キッカーは山本康裕。キックはゴール左すみに決まり、ジュビロ2-3。
喜んだのもつかの間、後半24分、ガンバカウンターから最後は大塚翔平に角度のないところから蹴りこまれてしまう。これが決まり試合は2-4。再び2点差。
ジュビロベンチ、再び動いた。後半27分 今日右サイドに入った高瀬を替えて杉本直人IN。
後半30分、佐藤和弘が左サイドでパスを受け、中央にクロスを上げるが、ボールはそのままゴールラインを割ってしまう。
- 後半終了まで
- 後半32分、左でパスを受けた佐藤和弘が中央に切り込み、前の押谷にパスを出すが、受けた押谷はガンバDFと接触して倒れる。再びPKか!?と思ったが、審判は押谷のファウルを取る。
後半33分、ジュビロ選手交代、FW鈴木翔悟→加藤潤IN。
試合も終盤になり、積極的に攻撃を仕掛けるジュビロ。前半消極的だった原田開も、後半になって見違えるように積極的に前に出るようになった。この攻撃が前半からできていればと悔やまれる。2点差のガンバは、無理に仕掛けず、じっくり守ってカウンター狙いという戦術か。
後半38分、左の佐藤がドリブルから中央にクロス。走りこんだ押谷にはわずかにあわずCKに変わるが、このチャンスは生かせず。
後半39分、ガンバ選手交代。DF前田→橋本。
後半41分、左サイドの杉本がドリブル突破。クロスをあげるが、ガンバGKがキャッチ。
ここで、スタジアムに雷鳴。一瞬、閃光が光る。
後半42分、押谷が絶好のシュートチャンスを外す。惜しい!押谷自身も天を仰ぐ。今大会8得点の押谷。このままでも得点王ではあるが、やはり決勝点で1点決めたい!
後半44分、ジュビロCKのチャンス。キッカー佐藤。杉本がゴール前フリーでヘディングするも、わずかに枠を外れる。惜しい!
後半44分、GK赤堀が、ガンバFWとの一対一をセーブ。決定的ピンチを救う。
ロスタイムは2分。押谷とガンバDFと浮き球を競った際に頭をぶつけあい、担架が入る。2人ともすぐに立ち上がる。このプレーで得たFK.キッカー山本康裕のキックは、GK森廣がキャッチ。
約3分半のロスタイムが経過し、そのまま試合終了。後半は自分たちのサッカーが取り戻せていただけに、前半45分のプレーが悔やまれる。
ジュビロ日本クラブユース選手権を準優勝で終了。
ガンバ大阪が大会2連覇。
- 試合後
- ジュビロは選手全員がゴール裏のサポーターにあいさつをしにいった。サポーターからは温かい拍手が贈られ、ここまで6試合キャプテンとしてチームを支えてきた山本康裕コールが起こった。
このあと、時折 雷鳴が響く中、表彰式が行われた。ジュビロの選手たちの足は重いが、この決勝の舞台まで来たことは立派。堂々と胸を張っていい。
優勝ガンバ大阪
準優勝ジュビロ磐田
第3位 サンフレッチェ広島、ジェフユナイテッド市原千葉
フェアプレー賞 柏レイソル
得点王はジュビロの押谷祐樹選手、大会MIPは山本康裕が受賞。(得点王・MIPの表彰には、横浜Fマリノスの坂田大輔選手がプレゼンターとして登場。)山本康裕選手は6得点をあげ、ガンバ大阪の大塚翔平選手と並んで得点ランキング2位。鈴木翔悟選手が5得点で4位。原田開選手は3点で11位。
大会MVPはガンバ大阪の安田晃大選手が受賞。(MVPのプレゼンターにはFC東京の石川直宏選手が登場。)
選手、監督コメント
- 吉田 光範 監督
- Q.前半の戦い方は今までのジュビロの戦い方と全く違ったが?
A.まずサッカー的には、自分たちで判断してプレーしましょう、アクションを起こしましょうということをずっとやっているが、(今日は選手たちが)非常に緊張したんだと思います。状況を見て判断するというアクションが攻守においてできなかった。選択肢のない中でプレーしてしまったと思います。そういうところは、ガンバさんの素晴らしい選手はいろいろ経験しているし、したたかにプレーしていました。ただ、判断がきちっとできるような状況になってきた時に、我々の主導権をとるというサッカーはできる時間帯もあったと思うので、そういうところは選手に感謝したいと思うし、このサッカーは続けていきたいと思います。
Q.ハーフタイムの指示は?
A.前半ボールに行くことができなくて、その時間帯に3点取られたので、時間を考えると積極的にボールに行って、奪って、もう一度動き出すということしかなかった。ポジショニングの修正と、連動してボールを奪いに行こうという話しをしました。少し緊張もあったので、もう一度自分たちが選択肢をもってプレーするということを、話しました。
Q.高円宮杯へむけての課題は?
A.フルタイム自分で判断して動くというところ。この緊張感も、ここまで来たことでいろんな経験をしたと思いますし、自分で状況を見て判断してアクションを起こすということをやり続けていきたいと思います。選手らの中にも、もう一度日本一を目指すという強い気持ちも生まれたと思いますし、素晴らしい経験をしたと思いますので、また選手と一緒にアクションサッカーを目指していきたいと思います。
サポーターの方には、Jヴィレッジからここまで応援していただいて、非常に感謝していますし、選手たちの支えにもなってくれたと思います。
Q.ガンバの選手のしたたかさと、ジュビロの選手との違いは?
A.(ガンバの選手は)個々の決断力がすごくある。我々もいま、選択肢の中で、優先順位を持って決断してプレーしていくということに取り組んでいるが、やはり(ガンバの選手に)スキを与えると、その状況の中でいろんな選択肢をもってプレーできている。そしてその精度が高いですね。
Q.今大会の総括を。
A.まずスタッフの方やサポーターに感謝したいと思います。選手たちにはすごくいい経験になったと思います。いろんなサポートをしていただいてありがとうございました。
- 山本 康裕 選手
- 前半は、こういう場所に慣れていない選手もいたし、硬い部分がありました。そこを突いてきたガンバが素晴らしかったのかなあと思います。ガンバとは年明けに一度対戦していて、戦い方は分かっていたつもりだったんですけど、全国で共に勝ち抜いたチームですから、そんなに弱くないとは思っていたし、様子を見ているうちにやられてしまったのかなあと思います。ハーフタイムにスタッフに怒鳴られてみんな目が覚めたし、そこでみんないつもの自分に戻ったという感じです。後半は僕たちが攻めるしかなかったので2点取れたけれど、ただやはり気持ちにスキがあったんだと思います。
去年も(この大会を)経験させてもらって、全国の壁は高くないと思ったし、今年はトップの試合にも出させてもらって、キャプテンも任せてもらっているので、先頭になってみんなを引っ張っていかなければいけないという部分で、リーダーシップを取っていけたとも思うし、技術の面でも全国で負けない自信もありましたから、次の高円宮にむけて一から練習しなおして、チームがタイトルを取れるようにがんばっていきたいです。
一人ひとりがもっと高い意識を持ってやらなければならないし、人任せになっている部分もある。技術の面ではこれからもっと練習していかなければいけないけど、精神的な部分は、個人個人の問題だと思うので、一人ひとりがもっと強くならなければならないなと思います。
MIPは僕だけの賞ではなく、チーム全員でもらえた全員の賞だと思います。
- 押谷 祐樹 選手
- 後半は切り替えることができて、なんとか反撃しようと思ったんですけど、最後まで得点できませんでした。(後半の戦術面の切り替えは)相手がボールをずっと持っていたので、もうFWから(ボールに)行くしかないということ。僕ともう一人のFWでプレスをかけてボールを追って奪おうと。もうそれしか方法がないと監督にも言われました。
(PKを取ったプレーについて)ペナルティエリアの中で勝負することができたので、それはよかったですけど、やっぱり点が取れなかったことは残念です。(決勝トーナメントに入ってからはかなりマークもきつかったが)相手も強くなるし、マークも厳しくなるので、自分が得点できなくても味方に点を入れさせるようなプレーをしようと、おとりになったりしようと思っていたけど、それはできたと思います。自分だけじゃなくて、味方を使ってゴールできればいいと思っていました。
相手がJリーグのチームだということで、強いというイメージがずっとあったんですけど、自分たちもそれに対抗できる力を持っているということが、とても自信になりました。
やはり今日は立ち上がりで、最初に点を入れられて追いかける展開になってしまったが、先に自分たちが先制して、突き放す形にしていかなければならないと思います。自分はマークが厳しくなっても、負けない強さを持ってゴールできるようになりたいです。
今日は緊張だけでした。高円宮杯では優勝したいです。