第87回天皇杯全日本サッカー選手権大会 5回戦
試合日時:2007年12月15日(土) 13時05分キックオフ
得点ボード
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- [試合時間]
- [スタジアム]
- [観 衆]
- [気温 / 湿度]
- [天候 / 風]
- [ピッチ状態]
- 90分 延長30分 PK戦
- 広島ビッグアーチ
- 3,177人
- 12.1℃ / 34%
- 晴 / 弱風
- 全面良芝、乾燥
- [コミッショナー]
- [主 審]
- [副 審]
- [第4の審判]
- [記 録]
- [HOME/AWAY]
- 田中 賢二
- 小川 直仁
- 中込 均 / 原田 昌彦
- 青木 隆
- 平尾 聡
- AWAY
集合写真
試合経過(得点、選手交代、警告、退場)
森崎 浩司 | 前半18分[得点] | |
前半42分[警告] | 成岡 翔 | |
後半0分[交代] | 加賀 健一(in) ← 茶野 隆行(out) | |
森崎 浩司 | 後半6分[得点] | |
後半8分[交代] | 山本 康裕(in) ← 成岡 翔(out) | |
森崎 浩司(out) → 高荻 洋次郎(in) | 後半20分[交代] | |
森崎 和幸(out) → 高柳 一誠(in) | 後半31分[交代] | |
後半31分[交代] | 中山 雅史(in) ← 上田 康太(out) | |
平繋 龍一(out) → 李 漢宰(in) | 後半35分[交代] | |
佐藤 寿人 | 後半39分[警告] | |
後半44分[警告] | 加賀 健一 | |
メンバー表
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スタメン |
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控え選手 |
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ペドロヴィッチ | 監 督 | 内山篤 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
中継レポート
- みどころ
- 広島の入れ替え戦の影響で1週遅れた天皇杯5回戦。
広島ビックアーチで13時キックオフで行われる。太陽は出ているが肌寒い気温。選手も全員が手袋をしてウォーミングアップを行っている。
アウェイ広島の地へサポーターが駆けつけてくれている。寒さにも遠距離にも負けず声援を送ってくれる皆さんに心より感謝したい。
ピッチ状況は場所により良い部分と少し荒れている箇所とある。
室内ではなくピッチへ出てのウォーミングアップで選手たちが感触を確かめる。
メンバーはGK川口能活にDF鈴木秀人・田中誠・茶野隆行という予想通りのベテラン守備陣。
ケガ人の多いMFには、ボランチに犬塚友輔と上田康太。右に太田吉彰、左に成岡翔、トップ下に西紀寛という布陣。
FWには前田遼一と林丈統が先発する。
注目は成岡翔の左サイド!トップ下の西紀寛とのポジションチェンジも繰り返しサイドだけではなく中にも入ってくるスタイルをどこまで発揮できるか!?得点へ絡む仕事が期待される。
好調な動きを見せているのは林丈統・犬塚友輔といったここまでレギュラーではなかった面々。
ベンチ入りした山崎亮平・山本康裕ら少ないチャンスをモノにできるか!?チーム内争いも注目される。
相手、広島はJ2への降格が決まりモチベーションを保つのに難しい状況。しかしそれがどうゲームに反映されるか!?不気味な存在だ。
FW佐藤寿人・平繁龍一の動き出し早いスピードにトップ下に入る柏木陽介の運動量には要注意。
両サイドの駒野友一・服部公太に加えDFストヤノフのオーバーラップに気をつけながら大切に90分を戦いたい。
同点の場合延長+PK合戦もあるこの大会。とにかく勝ちきることだけに集中しゲームへの入り方を大切に挑む。
- 前半15分まで
- 広島ボールでキックオフ。立ち上がりから広島がボールを動かしリズムを掴む。ジュビロはまずマークを確認、プレスをかけリズムを掴ませないよう守備から整える。
3分柏木陽介を中心に中盤を構成、右の駒野友一へ繋ぎ佐藤寿人へパスが出るが茶野隆行がブロック。
6分広島の中盤からロングボール。佐藤寿人が早い動きだしでDFラインの裏に飛び出すがオフサイド。
8分広島、左からのCKをファーサイド盛田剛平がヘディングシュート!ゴール左に外れるが高さにも注意したい。
12分森﨑和幸のパスを犬塚友輔がカット、西紀寛→林丈統と繋ぎ逆サイドの太田吉彰へ展開。縦へドリブルしセンタリング、前田遼一が動くが届かない。こぼれを林丈統が拾いシュートを放つがDFに当たってしまう。
14分ようやく攻撃でのリズムが捕まえるようになってきたジュビロ。上田康太から前線へ縦にパスが入る。太田吉彰が右から左へ動き、西紀寛が右へ、成岡翔が中央など中盤の構成も変動させながら守備陣系を崩していく。
15分ストヤノフがオーバーラップしてくるが上田康太・犬塚友輔で身体を張り奪い取る。ボールポゼッションは広島だが、リズムを失っていないジュビロ。成岡翔が駒野友一への対応で下がり過ぎているところが気になる。
- 前半30分まで
- 17分ゴール正面20mの位置で佐藤寿人が田中誠のスライディングを受けFKを与えてしまう。
19分絶好の位置で森﨑浩司が左足を振り抜く。ゴール右へ綺麗に突き刺さり先制点は広島。
22分佐藤寿人へチェックに行く田中誠。ボールは足に当たりゴールラインを割る。右からのCK、川口能活の前で茶野隆行がクリア。広島のセットプレーも怖さがある。
23分速攻から西紀寛がドリブルで駆け上がる。太田吉彰がオーバーラップし左から飛び出す。左足でシュートまで持っていくがストヤノフのスライディングが入り決めきれない。
25分ゴール前で前田遼一が粘る、DFと交錯しこぼれを林丈統が拾いに行くがシュートが打てない。
30分右から鈴木秀人がオーバーラップ、逆サイドへ展開し成岡翔・西紀寛が絡むが崩すことができない。FW前田遼一にボールが入らないところが気になる。ターゲットマンが機能しないここまでのジュビロ。中盤の切り替えと縦への仕掛けをもう少し増やしたい。
- 前半45分まで
- 35分前田遼一・成岡翔・西紀寛とポストに入り縦パスを受ける。成岡翔がゴール正面でドリブルで仕掛けファールを誘う。
36分ゴール正面20m、広島の得点シーンとほぼ同じ形。キッカーは上田康太、壁の上を超えゴール右へ飛ぶがボール一つ分外にはずれ決まらない。
38分広島の速攻から数的不利で田中誠・鈴木秀人が対応。最後は鈴木秀人が佐藤寿人と平繁龍一を一人で見て平繁龍一のシュートシーンを作らせてしまうが川口能活の正面に飛び助かった。
40分佐藤寿人のスピードに犬塚友輔が身体を入れて守備。平繁龍一もプレスに来るが田中誠と鈴木秀人で一度GKまで下げ流れを切る。
41分左から太田吉彰がアーリークロス、逆サイドで前田遼一が反応するがボールへ届かない。
42分林丈統が左サイドからドリブル突破、センタリングをファーサイドの前田遼一へ出すがGKにキャッチされる。
43分駒野友一と佐藤寿人のワンツーから突破を許し成岡翔が駒野友一を引っ張ってしまいイエローカードが出てしまう。
44分西紀寛が右サイドから起点を作る。しかし盛田剛平に奪われすぐに守備。スライディングで奪いに行くがファール。
ロスタイム1分、川口能活からロングフィードに林丈統が反応。GKとDFの間に落ちるが先に触ったのは広島DF。
前半は終始広島ペースで進んでしまった。後半への修正を期待したい。
- 後半15分まで
- 後半スタートから前半足を痛めた茶野隆行に代わり加賀健一を投入した。そのまま左ストッパーへ入りシステム変更はなし。
2分太田吉彰から林丈統、鈴木秀人から成岡翔そして西紀寛を経由し太田吉彰を走らせるが繋がらない。
4分成岡翔がクリアしようとしたところに佐藤寿人が足を出してくる。微妙な判定となるが広島ボール。成岡翔・佐藤寿人両者立てずタンカが出る。ドクターも入りベンチ裏では控え選手たちがウォーミングアップを開始。
6分ゲームが再開、右サイドからのFK。再び森﨑浩司が直接狙ってくる。壁を越えゴール右隅へ再び突き刺さり2失点目。
急いで山本康裕が準備、成岡翔に代わり投入される。山本康裕は成岡翔のポジション左サイドへそのまま入っていく。
9分GK川口能活がゴールキックを蹴る際一歩出てしまいハンドの判定。ペナルティエリア外ぎりぎりの位置で広島のFK。広島メンバーが集まり作戦を練る。何やらサインプレーで仕掛けて来るようだ。
蹴ったのは森﨑浩司ではなく駒野友一!これは壁がブロックしクリア。
15分西紀寛から右の太田吉彰へ展開、クロスに前田遼一が動き出すが触れない。今日は前田遼一が全く仕事ができていない。ボールを触れず良いボールを受けることができず苦戦している。
- 後半30分まで
- 19分右サイドで太田吉彰と西紀寛が連携、クロスボールを上げるが中の前田遼一・林丈統の動きがかぶり繋がらない。
21分2得点の森﨑浩司を下げ髙萩洋次郎を投入。ペドロヴィッチ監督は握手ではなく抱擁し出迎える。
22分広島サイドチェンジのボールに右から駒野友一がオーバーラップ。ワントラップからドリブルで仕掛けるがここは加賀健一が身体を使い守備。ファールぎりぎりで奪い取る。
25分左からのCK、林丈統が蹴るがGKのパンチングでクリアされる。
26分右から犬塚友輔からドリブル、センタリングを上げるも中の選手へ繋がらない。ベンチ裏では中山雅史・山崎亮平・船谷圭祐・エンリケが残り一つの交代枠を待ちピッチを上げる。
27分上田康太が攻撃参加、右足でクロスを上げるが逆サイドの山本康裕へ繋がらない。
29分中盤で西紀寛が倒されFK、リスタートすぐに左の山本康裕へ。ワンフェイントから突破しセンタリング。林丈統がニアに入るが触れずGKがキャッチ。
30分ベンチで中山雅史がユニフォームに着替える。残り15分、リズムの掴めないジュビロの切り札は40歳中山雅史。
- 後半45分まで
- 31分中山雅史が投入される代わったのはFWではなくボランチの上田康太。中山雅史と前田遼一の2トップとなり林丈統がトップ下へ、西紀寛も攻撃的で山本康裕と犬塚友輔のボランチ。攻撃的な布陣を組み守備的な人数を減らしていく。
34分左で林丈統がボールを受けると中央に折り返す。中山雅史がフリーでいたがシュートをバーに当ててしまう。今日一番の決定機だっただけに痛い。
36分ジュビロが攻撃的に前線からプレス、人数をかけていく。DF鈴木秀人も上がり右サイドからクロス。中山雅史が動き出すがストヤノフの足に当たってしまう。
37分攻撃的に行くジュビロ、速攻から数的不利を作り加賀健一が一人残り守備。柏木陽介のキープから駒野友一のシュート!何とかブロックするがリスクを負いそれでも攻撃を仕掛けて行く。
39分右サイドから犬塚友輔が仕掛けて行く。山本康裕のワンボランチでラスト5分、まず1点を返しに行く。
41分左の服部公太からセンタリング。鈴木秀人・田中誠の頭を越え柏木陽介のダイビングヘッド。川口能活が正面でキャッチするが危険なシーン。
ロスタイム3分、前田遼一が下がってボールを受け前に上がっていくがボールをキープできない。鈴木秀人がゴール前にクロスを上げるが跳ね返され、西紀寛が再び中山雅史の頭へ合わせにいくがストヤノフに頭に跳ね返される。
ラストプレーを前に広島のペドロヴィッチ監督が控え室へ下がっていく。川口能活が急いで前線にボールを蹴るがここでタイムアップ。0-2で今シーズンの戦いが終了してしまった。
ご声援ありがとうございました。
選手、監督コメント
- 内山 篤 監督
- 前後半通じて、なかなか中盤で時間を作れなかった。相手の方が出足がはやくて、両サイドがもっと深い位置ままで攻撃にいかないといけなかった。その分、中盤でなかなか時間ができなかったことが大きな原因で、動きと量も質が相手の方が上まわっていた。
セットプレーの時間帯とタイミングが相手にとって良い時間で決められてしまい、非常に苦しい試合でした。
Q.立ち上がりの悪さがあったか?
天皇杯へ向けてのモチベーションは、選手たちは非常に高いものをもっていましたが、相手が前から来ることに対して1回背後に切っていくことが大事でしたけど、繋いで拾われたり、ボールサイドに前線の起点ができなかった。
Q.リーグ戦から2週間空きましたが。
両サイドの選手がケガをしてしまい、選手の交代などもありましたが、基本的には大きな問題だとは考えていません。判断も含めて、前向きになった時に本来は速い攻撃という時に、遅行になってしまいそういうところは判断のミスだと思います。チーム全体の判断としても間違っていた部分がたくさんあった。
Q.今シーズン振り返って。
9月から監督が代わって、安定したゲームを目指す部分で大きな課題が出て、1試合できるが2試合はできない。試合の中で押し込まれる時間帯も、きちっと相手を受けて、そこから自分たちの時間にもっていくということが大きな課題。チーム力を上げていかないと、シーズンを通して安定した戦いにならない。その辺は、選手も自覚しているところで、安定した力を続けることが今後の課題になります。
- ペドロヴィッチ 監督
- すばらしいゲームができましたが、残念ながら我々は今季降格してしまった。
今日もいいゲームがでできたと思いますし、落ちるようなチームじゃないということを選手たちは見せてくれた。とても落ち着いてゲームが進められて、良い守備でボールを奪って攻撃を仕掛けていけた。その中でFKから2得点とりましたが、シーズン中はよくああいう場面で得点がとれなかった。今日はすばらしい勝利を収めてくれた。選手たちにとってもまだまだできると自信が取り戻せたゲームだったと思う。
- 川口 能活選手
- 僕らは2週間空いて試合に対してのモチベーションを上げるのが難しかったということもありますが、本当に広島の出来が非常に良くて、球際が強くよく動いていましたし、コンデイションも良く、すべてにおいて相手が上回っていました。
こういう試合は気持ちの部分が出てしまうし、セットプレーのFKはすばらしかったです。
サンフレッチェ広島がシーズン中にこの戦いをしていれば、間違いなく残っていたであろう出来でした。
- 茶野 隆行選手
- 止まったところにボールが出て、悪循環で動き出しがない分プレッシャーもかかって、簡単なミスでカウンターという形になってしまっていた。
リーグとは違い、ワンチャンスで勝敗が決まりやられるのは精神的にもキツイです。
- 田中 誠選手
- 勝とうという気持ちは僕らにもありましたが、相手もモチベーションが高く、コンディションが高いという印象でした。終始広島のペースでやられてしまい、結果的にセットプレーですけど、うまく試合を運ばれて完敗してしまった反省のゲームでした。
後ろから見ていてもパスコースがなくて、うまく守られて、相手は奪った攻めるというチームのやり方がはっきりしていて、こちらは動いているんだけどうまくいかない場面が多すぎて、中途半端なプレーになり、自分たちのペースに出来ずに終わってしまって非常に悔しいです。
今季は良い時と悪い時の差がはっきりしいて、悪い時を減らさないといけない。
来年も良い時のイメージを忘れずに、リズムが悪い時なりの戦い方をわかりあいながらやっていきたい。
- 上田 康太選手
- 前へのパスが少なかったので、もっと入れるように意識してやれればよかったと思います。
守備も間延びさせられてしまって、相手がうまく、自分たちの守備のやり方の嫌なところにきて、狭くやろうとしていたけど、広く使われてうまくボールを回していたので、取りどころがなかったです。
悔いが残りますけど、来年に向けてやるしかない。
- 林 丈統選手
- スロースターターで立ち上がりの入り方が悪かったです。
FK2本で負けるというのも悲しいですけど、崩されたという感じもなく、後ろがしっかり守ってくれていたけど、攻撃の形が作れずに本当に申し訳ないです。
- 中山 雅史選手
- 立ち上がりが悪く、途中からどうにかしようとしてもゴールへゴールへという気持ちが先走ってしまって、攻撃が単調になってしまった部分はありますけど、すべては試合への入り方だったというところはあります。
やるべきことはやってきたつもりですが、それがピッチで出せなかった。それが出せないところが今の自分たちの力だと思いますし、まだまだ足りない部分・未熟さを痛感させられた試合でした。
アウェイでもホームでも、同じ姿勢・同じ入り方・同じパフォーマンスが高いレベルでできるようにしなければ、勝ち抜くことは難しいですし、それを実現するために日々努力していかないといけない。
まだまだ自分たちがやらなけらばいけないことが山ずみで、1つ1つ整理して飛躍できるようにやっていくしかない。