第85回天皇杯全日本サッカー選手権大会 4回戦
試合日時:2005年11月03日(木) 13時00分キックオフ
得点ボード
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- [試合時間]
- [スタジアム]
- [観 衆]
- [気温 / 湿度]
- [天候 / 風]
- [ピッチ状態]
- 90分
- ヤマハスタジアム(磐田)
- 3,980人
- 19.3℃ / 57%
- 曇 / 無し
- 全面良芝 / 乾燥
- [コミッショナー]
- [主 審]
- [副 審]
- [第4の審判]
- [記 録]
- [HOME/AWAY]
- 臼井 郁夫
- 塩川 拓司
- 相葉 忠臣 / 伊藤 力喜雄
- 竹田 明弘
- 花澤 秀登
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試合経過(得点、選手交代、警告、退場)
西 紀寛 | 前半14分[得点] | |
成岡 翔 | 前半32分[得点] | |
前半35分[警告] | 濱田 武 | |
ハーフタイム[交代] | ビジュ(in) ← 八田 康介(out) | |
中山 雅史(out) → カレン ロバート(in) | 後半14分[交代] | |
カレン ロバート | 後半16分[得点] | |
後半21分[交代] | 長谷川 豊喜(in) ← 井手口 純(out) | |
成岡 翔(out) → 船谷 圭祐(in) | 後半22分[交代] | |
カレン ロバート | 後半23分[警告] | |
名波 浩(out) → 河村 崇大(in) | 後半27分[交代] | |
後半30分[交代] | 下司 隆士(in) ← 佐藤 大実(out) | |
西 紀寛 | 後半44分[得点] | |
メンバー表
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スタメン |
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控え選手 |
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山本 昌邦 | 監 督 | 松本育夫 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
中継レポート
- みどころ
- 第85回天皇杯初戦、4回戦でサガン鳥栖と対戦する。場所はホームヤマハスタジアム。厚い雲が広がりサポーター席もまだ空席が目立つ。天皇杯の独特の雰囲気が今年も動き出した。Jリーグとは違い周りにスポンサーの看板が無い。運営体制もサッカー協会が管理する大会だけあり派手さは無い。伝統あるトーナメントによる公式戦。この大会が始まると冬が訪れ、年の総括という感じがする。今年のチームはどんなものだったのか!?来年へ向けてどう動くのか!?いつもバックアップメンバーだった選手なども出場しリーグ戦とは違った雰囲気。もちろんトーナメント戦ならではの戦い方がある。ひとつのミスが流れを変え、変わった流れはなかなか元に戻らない。入り方とゲームプラン、そして勝負どころが難しい。今日のスタメンは5年ぶりの天皇杯出場となるGK川口能活。DFは田中が欠場。代わりに金が真ん中へ入り、右に鈴木・左に茶野が入る。ボランチがゲームキャプテン服部そしてゲームメーカー名波。右に太田と左の村井は不動。トップ下が成岡となった。ツートップは中山と西。今日の見所はベンチの川口信男とカレンだろう。スピードある選手の投入がどこで決断されるか!?今日も先制点が絶対に欲しい。安心したゲーム展開が見たいが、トーナメントの初戦は接線になることも肝に銘じておきたい。とにかく勝利しか次には繋がらない。今年もゴンゴールに頼りたい。
- 前半15分まで
- ジュビロ磐田ボールでキックオフ。中山へ合わせる、村井が突破、服部・名波がコントロール。成岡が流れる。ジュビロが落ち着いてボールを回す。
1分、最初にチャンスを作ったのは鳥栖だった右からのクロスに左ゴールポスト付近で混戦となる。GK川口が身体を張りセーブ。はっきりしたプレー、しっかりした判断で攻撃的にゲームを作りたいところ。
4分、服部→西→成岡から中山の前のスペースへスルーパス。センタリングを上げ西が入るが合わない。
5分、服部からのアーリークロスを中山が合わせるが目の前でDFにクリアーされる。
8分、鳥栖の速攻から右のFW鈴木にシュートを打たれるがGK左に外れる。しかしこうした速攻も気を付けなければいけない。少しの隙も見せてはならない。
9分、ゴールまで30mの位置からFK。名波と西でコンビプレーでセンタリングを上げる。中で中山が飛び込むが触れない。早い時間帯でゴールが欲しい展開。
11分、村井から西そして中山へスルーパスも繋がらない。中山の精力的なプレーでチームに勢いが出てくる。
13分、中山が身体を張り得た左サイドからのFK、ファーサイドの中山の頭に合わせ折り返しを狙うがDFに当たってしまう。
13分、太田がロングボールに競り合わずボールが流れる、その後の横パスもトラップミスするなどイージーミスが続く。
14分、左サイドから中山が左足で折り返しファーサイド成岡が競る。こぼれ球を太田が拾い横にいた西のパス。右足でコースを狙いゴール左隅へ突き刺さる。待望の先制点が決まった!【1-0】
- 前半30分まで
- 17分、鳥栖の意表をつくロングシュートに一瞬GK川口も驚くが右手を伸ばし対応。磐田の選手は集中はしているがラストプレーまで決めきってほしい。20分鳥栖が攻撃する時間帯が続く。名波・服部のボランチの位置でしっかりプレスをかけDFラインでボールを奪える展開が出来ている。ラインの整える金もミス無くこなしている。
21分、中山がDFラインの裏へ飛び出しGKと1対1になるが、オフサイドの笛が鳴る。
22分、村井が左サイドで作り、服部へ渡す。西の飛び出しを見てスルーパス。ラストシュートを打つことは出来ないががCKを奪う。
23分、名波のCK。一度はクリアーされるが再び名波へボールが渡る。センタリングに成岡がニアで頭に当てる。ゴール右へ外れ悔しがる。決めきりたい場面。
25分、再三最終ラインの金が足を抑える。相手FWの捨て身の飛び出しを身体を張りセーブしている。
27分、中山が起点となり最後は西がGKの前へ飛び込むがあと一歩触れない。
28分、村井と西が左サイドでコンビネーションを作る。前線に入った中山へ出たところで意思の疎通が取れず奪われるがボールはよく動く。30分、鳥栖の攻撃も名波の追い込み、服部のカバー、金のプレスに茶野のクリアーでチャンスを作らせない。内容は磐田が優勢だが、追加点が早く欲しい。
- 前半45分まで
- 32分、西が左サイドでボールをキープ。村井の上がりを見てスペースへボールを出す。よく中を見た村井のセンタリングに西がニアで合わせる。右足を伸ばしシュートしたボールはゴール右ポスト内側に当たりゴール!大切な追加点が決まった!【2-0】
まだまだ前半のうちにゴールを奪いたい。前半でゲームを決められる展開まで持っていきたい。
35分、鈴木と競り合った鳥栖の濱田へイエローカードが出る。競り合いの際、肘を出し鈴木の顔面を直撃させた。このプレーに対しても磐田の選手は冷静に対応する。逆に鳥栖ベンチは熱い!この試合への気合いが感じられる。2点差でもまだ満足してはいけない。
38分、鳥栖が右からのCK。中で井手口が頭に合わせるがここはマークに付いた茶野を押したとしてファール。
39分、磐田の左サイドからFK。キッカーは村井。中央の金の頭合わせるがシュートが出来ない。
40分、セットプレーで上がっていた金からクロスボールを上げる。絶妙なタイミングでGK前の西に合わせられる。ボレーボレーシュートがミートすればゴールだったがうまく当たらずGKにキャッチされる。
43分、最終ラインの金から右の太田へロングパスが出る。右コーナーでボールを受け切り替えす。ここでファールを受けFKを得る。
44分、右コーナーから名波が直接シュートを狙う。角度が無かったが意表をついたゴールの匂いを感じるシュートだった。
ロスタイムは1分。磐田は名波のミドルシュート、鳥栖はその後の速攻とチャンスを作るがゴールとはならない。後半も楽しみなゲームだ。
- 後半15分まで
- 後半スタート。選手交代は鳥栖のビジュが投入された。磐田はそのままの布陣。開始早々成岡が接触プレーで倒れてしまう。心配なのは怪我、まだリーグ戦もある日程だけにコンディショニングにも気をつけてほしい。
1分、太田→名波→服部→西と中盤で両サイドを使いジワジワと攻め上がる。
2分、鈴木秀人がまたもや顔面を強打。
4分、中盤でボールを回しながら名波が西へ浮き球のスルーパス。GKの前に飛び込めずシュートが打てないが展開は素晴らしかった。
6分、西が中山の動きを見ながら自らドリブル突破。DFの間をすり抜けようとするが引っかかってしまう。続けて右から鈴木がオーバーラップ、中の動きを見てセンタリング。成岡に合わせるが少し後ろに合ってしまう。フリーだっただけにもったいないプレー。
9分、金がインターセプトからそのままドリブルで上がる。右にいた中山に当て、太田を使いオーバーラップするが崩しきれず一度後ろに下げる。無理をしてボールを失わない展開が出来ている。落ち着いてサッカーができているがどこかでもう一度無理をする時間も作ってほしい。この点差で満足してはならない。
13分、左から村井が個人で打開センタリングを上げるが中には合わない。少しゆっくりした展開を見て磐田ベンチが動いていく。中山に代わりカレン投入。そのカレンがいきなり動き出す。西がボールを持つとカレンがゴールへ向かい走り出す。ゲームに再び動きが出てくる。
15分、こぼれ球を名波が強烈なミドルシュート!惜しくもゴール上を越えるがここから得点が動きそうな予感。
- 後半30分まで
- 16分、ロングパスをカレンが受けるとそのままゴールへドリブル。DFひとりをフェイントで交わしゴール右45度からシュート!右足でゴール左隅に決め3点目を奪う。【3-0】
19分、時間帯・流れを見て金がパスカットと共に押し上がる。太田の前へ走りこむが通らない。
20分、鳥栖の右からのCK。中央で井手口が頭に当てるが茶野が身体を寄せゴールマウスへ打たせない。
22分、村井から成岡へスルーパス。ゴールから少しずれたポジションだったため太田へ落としセンタリング。シュートまでは行かないが流れのある展開。
23分、船谷が登場。成岡に代わりそのままトップ下に入った。
24分、鳥栖の右からのCK。名波がニアでクリアー、跳ね返りをつながれてシュートまで持っていかれるがしっかり川口がキャッチ。
25分、鳥栖の攻撃がロングボールに変わってくる。ディフェンスの時間帯が増え、そこから速攻という展開となる。
26分、村井の速攻から西へ出したパスはオフサイド。
27分、磐田は3人目の交代を使ってくる。名波に代わり河村を投入そのままボランチへ入った。
残り15分、前線の西とカレンが話し話合い起点を作ろうとする。河村・服部がバランスを見てコントロールする。茶野・金・鈴木で死守する。勝つことも大事。だが無失点という結果にもこだわりたい。
- 後半45分まで
- 34分、船谷と村井のコンビネーションで左サイドから崩していく。村井がペナルティエリア内に入り込みシュートを放つがDFに当たってしまう。カレン・西と立て続けにDFと接触し足を押さえる。怪我だけには十分注意してほしい。カレンが足を引きずっているのが気になる。
36分、カレンがボールを受け前のスペースを見つけると自らでドリブル。ラインコントロールする鳥栖DF陣を見て2列目の船谷の上がりを使う。中の太田へ折り返しシュートするがブロックされる。
38分、鳥栖も攻撃へ力を使ってくる。人数をかけ攻めあがるが最終ラインの金がことごとくカバー。センターに入った金のポジショニングと気迫がこの試合光っている。
40分、西・カレン・村井で左サイドから打開するがラストパスがずれてしまう。相手DFが足をつっている。
41分、服部がパスカットすると鳥栖ディフェンスがバランスを崩してしまう。フリーでいる西・カレン・船谷が上がっていく。西のクロスにカレンが頭で飛び込むが触れずボールは流れる。楽にボールが繋がり攻めあがれる展開にラスト何とか締まりのあるゲームを作りたい。
44分、金から超ロングボールが村井に渡る。村井がキレイにトラップそしてドリブル。中の動きを見て切り返し最後はマイナスポジションに下がった西の左足で豪快にゴール!4点目を決めロスタイム2分へ突入。【4-0】
大声援のなか試合終了。鳥栖の松本育夫監督と山本監督、そしてベンチにいた中山雅史が握手をし健闘を称え合った。
選手、監督コメント
- 山本昌邦監督
- 新たな天皇杯という大会で、いいスタートがきれたと思います。ジュビロらしい速いパス回しで形が良い場面を数多く作れました。内容的には安心して見ていられる内容だったと思います。この勢いを12月まで間がありますけど繋いでいきたい。
今日はサイドを上手く使って、サイドチェンジを含めてサイドを崩せた。ベテランがやはりここぞと言う時にチームに安定感、バランスを整えてくれた。立ち上がりはサガン鳥栖さんの激しいプレスからの速い攻撃というのは想定していたんですけれど、そこを15分間乗り切れたことが安定した試合運びにつながったと思います。
若くて勢いがあるチームなので、警戒していたのですが、バランス良く戦ってくれた。先週の敗戦から気持を切り替えて、選手の気持が入ったプレーをしてくれた。
- 松本育夫監督
- 今日からJ1のチームが登場してきました。相手のチームに合わせてゲームをやるということが良くあるのですが、今日はジュビロの選手達が真剣になって我々の相手をしてくれたことに感謝をしたい。なぜかというと、今日のジュビロと鳥栖のチームとの違いは選手一人一人の責任あるプレーと、ミスの多いプレーがJ2では許されている。J1のチームになると全く許されない。J1のプレーというものを肌で感じてくれたのではないかということで、ジュビロの選手達に感謝を申し上げたい。
内容は4失点ともミスです。相手にボールを渡した物が全部得点に結びついている。1点目がキーパーのミスキックです。バックパスを相手に渡して右サイドから崩されて左サイドから折り返された。3,4点目は特に攻めに入っていて、相手にボールを渡して、一気に逆襲されている。ジュビロの選手達というのは、相手に押し込まれた時に出すボールは絶対に最終ラインの背後ですね。あそこに正確なボールが通る。うちの選手達にとって非常に参考になる、ジュビロの選手達の真剣なゲームというのが、今日の全てだったと思います。
- 服部 年宏
- 前半いい入り方ができた。一番最初は鳥栖のチャンスだったのですが、それを凌いでからはこちらがいい入り方ができていたので、チャンスをいくつか作れて今日はいいと思います。
トップとトップ下に関しては、非常にプレスがきつかったので外を使っていこうという指示通りにできたのでよかったと思います。
- 中山 雅史
- 前半は相手のプレスがかなり来ていました。1分の相手のチャンスで、うちのピンチですけどあれを決められていたら調子ずかれてしまうと思いましたし、後半は少し相手のプレスが落ちたと思いますけど、前半がしっかりと凌げて得点が取れていたのがすごく大きかったと思います。
- 成岡 翔
- 前半は鳥栖の激しいプレッシャーで押し込まれている時間帯もありましたが、そこを耐えられた。あのペースでいったらだいぶ相手が疲れてくるだろうと思ってましたし、相手を動かしながらフィニッシュまで行こうと意識してました。
Q.得点シーンに関しては?
A.後ろから見ていると、クロスの対応がよくなかったので、ニアかファーのどちらかに2枚入っていけばどちらかがフリーになれるとわかったので、その中でもニアがすごい空いていたので、飛び込んで行きました。今日はサイドの崩しからの点が多くてよかったと思います。
Q.攻撃で満足がいった部分は?
A.真ん中に厚くディフェンスが来ていたので、無理せずにボールをはたいてもう一回ゴール前で勝負しようというのは意識してました。
Q.久しぶりの勝利でしたが?
A.自分が出場した試合ではあまりチームが勝っていないというのは、口にはしないけど感じていたので勝てたというのはよかった。
- 西 紀寛
- 両チーム格差はないというほどではないけど、球際に差はないし、ボールを拾われたらきつくなるし、大きな展開は磐田の方があると思うけど、前半の序盤に得点を決められていたら、どうなっていたかわからなかった。
カレンと僕は、似たようなタイプなので、中山さんが相手を引っ張ってくれて動けた。
翔(成岡)も、もっとできると思うので、もっと動きを引き出してあげたい。
- カレン ロバート
- Q.得点シーンは?
1対1だったので、行くべきだと思って勝負しました。
後半少しケガをした足は大丈夫です。前回と同じ所をひねってしまいました。
初戦は難しい試合になると思っていたので、終わってみれば結果が出せて本当によかったと思っています。リーグ戦の良いきっかけになればいいと思います。
- 鈴木 秀人
- 序盤に危ない場面がありましたけど、それ以外は普段通りにできました。ひさしぶりにスッキリとした勝ち方ができました。今日みたいなプレーが、リーグ戦でもできれば、もっとチームに勢いがつくと思うし、次にジェフ戦(11/12)に向けて、良い試合になったと思います。
- 村井 慎二
- 今日はタイミングよく点も入って、追加点も入ったし、次に繋がる試合だったと思います。次節、(古巣・千葉なので)是非勝ちたいので、良い挑戦したいと思います。
- 川口 能活
- 前節の広島戦はほんとに集中力を欠いたプレーが何度かあって、自分たちがリズムに乗ろうというところでパスミスしたり、初歩的なミスが多かったんですけど、今日の試合は非常にミスも少なく、たとえミスが起こったとしてもみんなで補おうと、声がよく出ていたので、その点が非常によかったし、入り方もこの前の試合とは全然雲泥の差で、非常に良い入り方をしたので、その辺が技術や経験はもともとあるチームですから、試合に対する思い、集中力を高めていってこれからゲームに臨むことが大事ですね。
非常に動いてたし、パスまわしもよかったし、ほんとに声を出して集中力がとぎれなかった。基本的なことですけど、いい状態の時はそれが自然に出来てると思う。それはやはり継続していきたいなと思います。
- 茶野 隆行
- 相手が格下だというのもありましたが、相手がどうこうと言うよりも自分たちのサッカーをやるというのを心がけてやっていたので、集中してできました。
最初の立ち上がりに、相手が前から仕掛けてくるとわかっていたので、冷静に落ち着いて、最初は裏へ裏へというのをなるべくケアしながらやっていました。
大事な初戦だったので難しい試合になるとは思っていましたけど、良い結果が出て、次に繋がると思うのでリーグ戦に切り替えてやるだけです。