第85回天皇杯全日本サッカー選手権大会準々決勝
試合日時:2005年12月24日(土) 13時02分キックオフ
得点ボード
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- [試合時間]
- [スタジアム]
- [観 衆]
- [気温 / 湿度]
- [天候 / 風]
- [ピッチ状態]
- 90分
- 香川県立丸亀競技場
- 7,354人
- 16.0℃/33%
- 曇時々晴/弱風
- 全面良芝 乾燥
- [コミッショナー]
- [主 審]
- [副 審]
- [第4の審判]
- [記 録]
- [HOME/AWAY]
- 三本松 正敏
- 家本 政明
- 名木 利幸/河野 暁
- 池田 直寛
- 梶原 伸治
- HOME
試合経過(得点、選手交代、警告、退場)
福西崇史 | 前半17分[警告] | |
前半24分[交代] | チェテウク(in) ← 枝村匠馬(out) | |
岡本達也(out) → 藤井貴(in) | 後半6分[交代] | |
中山雅史(out) → 川口信男(in) | 後半9分[交代] | |
後半21分[交代] | 平松康平(in) ← 高木純平(out) | |
後半43分[警告] | 平松康平 | |
後半44分[得点] | マルキーニョス | |
成岡翔(out) → 大井健太郎(in) | 後半44分[交代] | |
後半44分[交代] | 岡崎慎司(in) ← マルキーニョス(out) | |
メンバー表
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スタメン |
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控え選手 |
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山本 昌邦 | 監 督 | 長谷川健太 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
中継レポート
- みどころ
- クリスマスイブの12月24日、会場を香川県丸亀市に移動し天皇杯準々決勝が13時キックオフで行われる。相手は清水エスパルス!四国での静岡ダービーが実現した。天候は曇り、冷たい風が心身ともに染み込むが早くから四国のサッカーファンが多く駆けつけている。日ごろスタジアムで見ることのできないサッカー少年や女性ファンたちが両チームのユニフォームやカラーを身に纏い気合を入れる。ピッチコンディションは良好、しかし慣れていない芝にスタートは様子をみる場面がありそうだ。ジュビロは昨年も使用しているだけに多少有利かもしれない。スターティングイレブンを見てみると、まずFWのふたりに目がいく。肋骨を骨折している中山と19歳年下の岡本が並ぶ。新旧魂ストライカーが並び結果が楽しみだ。そしてトップ下には新ゲームメーカー成岡。左が村井で今日は右に河村を入れてきた。ボランチは愛媛の実家から親戚一同が駆けつけている福西と更なる成長が期待される船谷。DFラインは田中を中心に茶野と鈴木でしっかり固める。もちろんGKは日本の守護神、川口能活。ベンチには若い選手がスタンバイしモチベーションを高くして緊張と「やってやる!」という思いを漲らせる。清水のメンバーも多少怪我人がいるようだが危険な人物が多い。注目はゲームキャプテンを務める山西。そしてマルキーニョスには気を付けたい。トーナメント方式の一発勝負、必ず結果が必要になる大一番。先制点が大きなカギとなる。絶対に準決勝エコパへ駒を進めたい!岡本・成岡・船谷の若手を中山が引っ張る!
- 前半15分まで
- 開始早々は落ち着いたボール回し。
1分浮いたボールに船谷が頭で競りに行くとマルキーニョスと交錯、一度倒れこむが問題はない。清水はやはりマルキーニョスを中心にボールを回して来る。
2分福西から岡本の前のスペースにボールを送るが通らない。磐田はまず田中を中心としたディフェンスラインを整える。
5分右の河村から岡本へクロスボール!相手DFラインの裏を狙いラインを下げさせる。
6分中盤が開いたスペースに成岡が押し上げる。成岡にボールが入るとスルーパスが出てくる。中山もそのタイミングに合わせ飛び出す。
7分福西から岡本へ縦パスを送る。ここまでは福西・船谷のボランチはふたりとも前には出ない。安定した守備体型を整える。
8分清水の枝村が突破してくるが田中がカバーしカットする。
11分磐田左からのCK、村井が蹴りニアで成岡が合わせるがシュートにならない。
12分清水が右サイドから枝村がタイミング良く飛び出しシュートまで持って行く。GK川口の正面だったが気を付けたいプレーだった。
13分にも清水の右サイドから崩される。兵藤が茶野を交わしペナルティーエリア内へ侵入、田中のカバーに抑えられるが気を付けたい。
14分にはマルキーニョスのミドルシュート!ゴールマウスを外れるがしっかりプレスにいきたいところ。
15分左から村井が崩しシュートを打つ。強烈な弾道はGKの正面だったが弾いたボールを再び村井!しかし決めきれない。やっとシュートシーンが生まれてくる。
- 前半30分まで
- 18分福西がイエローカードを受ける。これにより累積警告で次節の出場ができない。まずはこの試合で結果が欲しい。清水は枝村が足を押さえタンカで外にでる。なかなか立ち上がれなかったが20分ピッチへ復帰。
20分右の河村からセンタリング、中央で中山が飛び込む!そして流れたボールを村井が左足シュート!しかしDFの足に当たってしまう。
21分福西が中央でドリブル突破、ファールを誘う。ゴール正面35mからのFK。船谷が左の茶野へ出し、そこからクロスボール。岡本が頭で競るがシュートにはならない。
22分右から船谷がCKを蹴る。中山の頭上に上がるがゴールマウスに打ち切ることができない。
24分清水ベンチでチェテウクが準備、先ほど倒れた枝村に代える。
25分左サイドから山西がロングスロー、マルキーニョスに当て山西に戻しセンタリング。中で兵藤がシュートするがジュビロDFがブロック。チェテウクが左に入り、兵藤と伊藤が中央、右に高木が入る布陣となっている。磐田は成岡を基点に左の村井から中山・岡本の頭という形。清水は前線のマルキーニョスを起点に両サイドからのクロスに兵藤が詰めるという形が多い。両チーム五分五分な戦い。風は弱いがどんよりした雲が広がってくる。そろそろ爽快なゴールシーンが見たい時間帯。
30分山本監督が前に出て指示を出す。中山&岡本のコンビネーションも徐々に合ってくる。
- 前半45分まで
- 31分成岡の頭脳的なスルーからワンツーで中央を崩す。最後は河村が飛び込むがシュートできない。
33分岡本と山西が頭で競り合い岡本のファールとなる。
34分左の村井からセンタリング、中山が頭で競りこぼれ球を船谷がボレーシュート!しかし大きくゴール上を超える。
36分清水の攻撃、久保山が右からセンタリング。中でマルキーニョスが競りこぼれたところにチェテウクがボレーシュート!ミートした強烈なシュートはGK川口の正面。決定的な場面だった。
38分船谷→中山→岡本と出るがシュートは出来ない。
38分会場には小雨が降ってくる。
39分船谷と成岡で縦のワンツーを交わす、突破を仕掛け前係になるが奪われ速攻を受けてしまう。
40分成岡が起点をなり福西のオーバーラップを誘う。中央をドリブル突破!左に村井がフリーでいたが自らでドリブル。奪われてしまい決定機は作れない。小雨からピッチが濡れる。選手たち踏ん張りが利かず滑るシーンが増えてくる。
43分成岡が両サイドへパスを送りボールを動かすがミスパスが目立つ。船谷と福西のところでバランスを見るがなかなか上手くボールが回せない。
44分久保山がチェテウクのスルーパスを受けDFラインの裏へ走るがオフサイドを取る。
45分ここで前半終了。両チームまだまだ上手く行かない場面が多い。後半どう動いてくるか!?残り45分楽しみだ。
- 後半15分まで
- 両チーム交代なし、立ち上がりから清水がシュートを放つ。久保山の強引なミドル、1分には森岡のクロスボールにチェテウク。先制点がどっちに入るか!?ポイントになりそうだ。
3分河村が右サイドを突破しCKを奪う。右から船谷が蹴り一度クリアされるが河村のミドルシュート!GK正面だが強烈だった。
5分磐田ベンチで藤井が準備する。代わるのは岡本。岡本が中山とタッチしピッチを後にする。藤井にも期待がかかる。テクニックと独特なセンスが結果となるか!?
7分河村からのクロスに成岡がファーサイドで受け、頭で藤井へ繋ぐ。ワントラップからシュートするがDFのブロックへ当たってしまう。
8分続けて磐田ベンチで川口信男が準備する。代わるのは中山。直前のプレーで中山が足に違和感を覚えた。首を傾げながらロッカーへ下がっていく。
12分久保山が右サイドからドリブル、ファーサイドのマルキーニョスへ合うがシュートは打たせない。
13分右サイドから川口信男がスピードドリブルからセンタリング、中の藤井の頭にピッタリ合う。ヘディングシュートは左サイドへ飛びGKが見送る。しかしギリギリ外へ外れてしまう。
14分にも川口信男が右サイドを突破!センタリングでチャンスを作る。
15分磐田が両サイドから立て続けにCKとなる。村井が蹴り、福西が飛び込むが決まらない。流れはジュビロにある!
- 後半30分まで
- ゲームの流れがジュビロにある時間帯に得点が欲しい。左の村井へ田中からロングボールを出す。茶野が裏を回りセンタリングを上げる。中で藤井が頭で合わせるがミートしない。
17分左サイドで村井→船谷→成岡とダイレクトで崩してくる。センタリングに川口信男が落とし藤井が出るがシュートとならない。川口信男の動き出しと藤井のポイントが起点となっている。船谷・成岡・村井・福西も前へ力をかける。
20分左から船谷のCK、中で福西が動き出すが届かない。逆に速攻からマルキーニョスがチャンスを作るが鈴木とGK川口で抑える。
21分清水ベンチも動いてくる。高木に代わり平松投入。気を付けたい選手がまたひとり入ってくる。この時間帯に1点欲しいところ。
22分清水の怒涛の攻撃がやってくる。田中が何度クリアしても拾われる。平松の運動量で清水が息を吹き返す。
24分福西から右サイドに出た川口信男に縦パスが出る。切り替えしを2回行いセンタリングまで持って行く。藤井がニアで飛び込むが届かない、こぼれに福西が入り込むが触れない。右の川口が効果的になっている。
27分清水の右から森岡がオーバーラップ、センタリングにマルキーニョスそしてチェテウクとシュートを打つがブロックとオフサイドで決めさせない。
28分久保山が開いているスペースを見つけ飛び出しシュートを打とうとするが鈴木が戻り足を伸ばす。
29分マルキーニョスが左サイドで起点を作り。一度下げるとそのまま中へ入ってくる。ペナルティエリア内で倒れるがノーファール。残り15分やはり1点勝負の緊迫した内容。
- 後半45分まで
- 31分左から船谷がCKを蹴る。GKの前に福西が飛び込むがパンチングで弾かれる。河村が拾い川口に当てる、左へ展開し船谷がセンタリングを狙おうとするところで奪われてしまう。
34分清水の右サイドから再三森岡がオーバラップしてくる。センタリングには田中がクリアするがCKとなる。
35分清水のFK、ゴール右40度・35mの位置に兵藤とマルキーニョスが立つ。マルキーニョスがインステップで弾丸シュートを放つがしっかり壁に当て防ぐ。
36分藤井が右サイドから緩急を付けたドリブルで中へ入ってくる。成岡にスルーパスを出し反転してシュート!しかしDFに当たってしまう。
37分にも村井からのロングボールに藤井がDFラインの裏へ飛び出す。起点を作り船谷のサポートを使うが打ち切れない。
39分右から再び森岡がオーバーラップ、CKを奪う。40分福西→船谷→藤井→村井センタリングで川口信男となるがあと数センチ届かなかった。41分スペースへ出たボールに藤井が最後まで追う。残り5分。
42分清水のクロスボールに右サイド兵藤がフリーでDFラインの裏へ出る。GKと1対1の決定機となるが浮いたボールを修理できずGK川口のプレシャーに負け外す。
43分平松が成岡を倒し文句を言ってくる。当然平松にはイエローカードとなるがそのプレーに田中・福西ら磐田のメンバーが駆け寄る。熱くなる両チーム、清水のキャプテン山西も間に入りなだめる。ロスタイム2分。ロスタイム、左から出たチェテウクがスピードで突破。センタリングにファーサイドフリーになったマルキーニョスの頭に合ってしまう。この時間に来て失点。ラスト、成岡に代え大井を投入。大井をFWに入れパワープレー!しかしチャンスを作れず試合終了。2005年の戦いは丸亀で終わった。
選手、監督コメント
- 山本 昌邦監督
- 今日のゲームに関しては、チャンスで決めきれなかったことがこういう結果につながった。最後、チャンスをいくつか作っていただけに90分で試合を決めたいという攻め急ぎから逆襲を喰らってやられたので、勝敗を分けた。
前の方の形は若い選手が作ってくれたので、それは自信にしてもらいたいと思います。
- 長谷川健太監督
- 準決勝に行けて本当に良かったです。
選手たちには、試合前にジュビロはジュビロだということを伝えました。ジュビロは怪我人や病人が出てメンバーが揃わないけど、ジュビロはジュビロで、エスパルスはエスパルスだと。両チームともベストなメンバーがこの試合で戦うということなので、しっかりと立ち向かう気持ちを忘れずにと伝えました。
前回の試合が非常に良いゲームができたので、今回のゲームでは、なかなかうまくいかない部分で焦ってしまっては自分たちのリズムを崩してしまうので、焦らずに、リズムが悪い時間帯も当然あるし、ジュビロのディフェンダー陣というのは錚々たる顔ぶれが揃っているので、簡単には点が取れないということを覚悟しながらゲームに入ろうということで試合に入りました。
全体的に両チームともリズムに乗れなかったゲームではないかと思います。ただ、最後の場面でしっかりと身体を張って、相手のチャンスの場面をディフェンス陣がしっかりと防いでくれました。最後は、マルキーニョスが足が痛いながらもきっちり決めてくれました。さすがエースだなと感じました。次の準決勝も、しっかりと良い準備をして、元日に行けるよう全員で戦いたいと思います。
Q.リーグ戦では、2試合引き分けでしたが、勝てた意味合いは?
A.ジュビロに勝ったことは非常に大きいと思います。練習試合(2月キャンプ)で2-7でコテンパンにやられてからシーズンが始まって、そこからはリーグ戦、プレシーズンマッチともに引き分けて、内容的にはある程度どちらが勝ってもおかしくないようなゲームができるようになってきて、まだ決着が着いていなかったので、今日のゲームで決着を着けたかったので、そういう意味では、選手たちがこの大会で何とか勝って、自分たちの力を証明したいという気持ちが少しジュビロの選手に勝ったのではないかと思います。
- 福西崇史
- 一発のサッカーの恐さというか、自滅というか、そういうことを感じたゲームでした。
内容的には悪くはない試合でしたが、フィニッシュの形は少なかったし、それでもチャンスでしっかり決めないと、ジリジリきて、ああいう形になってしまいやすいと思います。みんながそれぞれ、この1年の反省もあると思いますし、個人個人が整理して来年に活かしていければ良いと思います。
Q.自分が前線に上がるのは我慢していましたか?
A.そうですね。メンバー的にもバランスが良いと思っていたし、終盤も、バランスを崩してまでも攻めるような状況ではなかったと思いました。
- 中山雅史
- 試合への入り方は悪くなかったと思います。
シュートは少なかったですが、それなりに攻めることはできていたと思いますし、後半はどちらかというと、ジュビロのほうが良い感じで攻めていましたし、ゴール前までは詰めれていたので、その辺りは悔やまれるところですね。
選手が入れ代わったという部分はあったと思いますけど、それでも勝てるチームでなければいけないと思いますし、そういうチームが強いチームだと思いますので、もっともっと全員が戦い方を理解しないといけないと思いますね。今シーズンはもう終ってしまいましたが、来季に入っていくところで、次に活かしていきたいです。
Q.交代は足を痛めたからですか?
A.右腿の裏側を肉離れしたような感じがしたので、負傷交代という感じでした。悔しいですね。
今年は悔しい終り方だったので、新しいシーズンに向けて、1人1人がオフをしっかりと有効利用しなければいけないし、そうすることで次につながると思います。
- 川口 能活
- Q.終了間際の失点でしたが?
A.今年を象徴しているような負け方だったし、ああいうことを続けているとチームは勝てない。やはり勝つために最低限やることを考え直して、しょうがないということを無くして同じミスは絶対しないようにしていきたい。
自分たちが考えていないような展開での失点でした。
- 茶野隆行
- 前半から良いチャンスはあったけど、そこで決められないとこういう展開になるのはわかっていたのですが、最後に集中力が切れてしまって、大事な試合を落としてしまったのは、非常に残念な結果です。また来年の目標ができたし、今年は一つもタイトルが取れなかったというのは、自分としても不本意なシーズンでしたし、来年はもっと結果を求められてくると思うので、内容より結果を第一に考えて、気持ちを切り換えて来シーズンに臨みたいと思います。
清水との対戦は、お互いに手の内がわかっていたし、勝ちたい気持ちが強いほうが勝つと思っていました。決定的なチャンスを決めきれないというのは、永遠の課題だと思うけど、そこでしっかり決めて勝ちきることができれば、もっともっと強い磐田になると思うので、それを求めていきたいです。
- 船谷 圭祐
- 最後もっと強引にいこうというのが足りなかったと思います。ボランチは全然やったことなかったので、不安もあったんですけど福さん(福西崇史)が上手くバランス取ってくれてやりやすかったです。
Q.清水の守備に関しては?
A.真ん中2枚は空中戦のボールに対しては強かった。ドリブルなり、ワンタッチ使ったりというのが必要だった。
Q.失点シーンは前がかりになった?
A.足も止まってしまって、切り替えも遅く、その隙を突かれた。