第83回天皇杯全日本サッカー選手権大会準決勝
試合日時:2003年12月27日(土) 13時05分キックオフ
得点ボード
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- [試合時間]
- [スタジアム]
- [観 衆]
- [気温 / 湿度]
- [天候 / 風]
- [ピッチ状態]
- 90分延長30分PK
- 埼玉スタジアム2002
- 11,233人
- 4℃ / 53%
- 晴 / 弱風
- 全面良芝 / 乾燥
- [コミッショナー]
- [主 審]
- [副 審]
- [第4の審判]
- [記 録]
- [HOME/AWAY]
- 大野 辰巳
- 岡田 正義
- 石山 昇、上荒 敬司
- 高山 啓義
- 福田 直史
- AWAY
試合経過(得点、選手交代、警告、退場)
前半7分[得点] | グラウ | |
前半11分[得点] | 成岡 翔 | |
森岡 隆三 | 前半19分[警告] | |
安 貞桓 | 前半25分[得点] | |
安 貞桓 | 前半31分[得点] | |
前半43分[得点] | 前田 遼一 | |
後半13分[得点] | 成岡 翔 | |
澤登 正朗(out) → 平岡 直起(in) | 後半17分[交代] | |
太田 圭輔(out) → 平松 康平(in) | 後半29分[交代] | |
後半30分[交代] | 西野 泰正(in) ← 西 紀寛(out) | |
後半38分[警告] | 名波 浩 | |
トゥット | 後半43分[警告] | |
後半43分[交代] | 上本 大海(in) ← 菊地 直哉(out) | |
高木 和道(out) → 北嶋 秀朗(in) | 後半44分[交代] | |
後半44分[交代] | 中山 雅史(in) ← 名波 浩(out) | |
安 貞桓 | 後半44分[警告] | |
メンバー表
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スタメン |
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控え選手 |
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行徳 浩二 | 監 督 | 柳下 正明 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
中継レポート
- みどころ
- 6年ぶりの天皇杯準決勝。相手は同じ静岡の清水エスパルス。会場は埼玉スタジアム2002。今日はまず天候がカギかも知れない。昨日埼玉では雪が降ったというぐらい寒さが残っている。太陽は出ているのだが風が異常に冷たく選手の体の動きにも影響が出そう。ピッチレベルが最高な状態が整っている。メンバーは累積警告の服部のところに菊地。怪我の川口のところに成岡が入り、勢いのあるスタメンとなった。メンバーは多少変化があるがチームの雰囲気は下がっていない。服部もチームに帯同しモチベーションを下げていない。ベンチスタートの西野&中山も気合い十分なだけに今日の結果が楽しみ。なんとしてもゴールをそして勝利を掴み。元旦を目指す!
- 前半15分まで
- 清水ボールでキックオフ。1分アン・ジョンファンの左足でのミドルシュート。3分清水の右サイドからのセンタリングにトゥットが飛び込む。立ち上がりはエスパルスが支配する。4分トゥットの突破からCKを奪う。5分西が前線からボールを追う。河村&菊地のボランチでなんとかボールを落ち着かせたい時間帯。7分前田が相手DFのミスを狙いボールを奪う、そのままドリブルで突破すると最後はグラウが落ち着いて決め、ありがたい得点が決まった!大きい先制点はジュビロ磐田が奪う。リズムがエスパルスだった時間帯だけに相手のダメージも大きい。10分清水の右サイド太田が仕掛けてくるが成岡が戻りディフェンス。集中している。12分右サイド、グラウが飛び出しセンタリング。GKと成岡が競り、ミスを誘う。こぼれたボールを押し込み2点目。今日のジュビロは決定力が素晴らしい。15分グラウが相手DFにプレスをかけるとまたもミスを誘う。ここまではエスパルスのミスが目立つ。
- 前半30分まで
- 17分エスパルスの右から太田がセンタリング。中央で安がフリーでヘディングシュート!ゴール上を越えるが危ない場面。19分前線からグラウ・西がボールを追うとまたもエスパルスDFのミスを誘う。20分西が中央をドリブル突破、シュートのこぼれをグラウが拾い再びシュート。これは相手DFに当たってしまう。23分三都主が右サイドからドリブル、名波も戻りディフェンス。25分三都主が左サイドを崩しセンタリング。菊地がヘディングでクリアーするも拾われ、安が振りの鋭いシュートを放つ、ゴール左隅に決まり失点。28分にも安が中央をドリブル。鈴木が抑えるが危険な選手。29分右サイドからのFKを沢登がセンタリング。中でエスパルスのボールになるがシュートは打たせない。またエスパルスのリズムになってきた。
- 前半45分まで
- 32分エスパルスの右からのコーナーキックを三都主が蹴りニアで合わせられる。佐藤がこのシュートは防ぐがこぼれを安に詰められゴール!2失点目、これで同点になってしまう。34分西が足を痛めタンカで運ばれるが35分ピッチに戻る。勝負は振り出しに戻った。37分西が左サイドで倒されFK。ファーサイドに大きなボールを蹴り、田中がGKと競る。コーナーキックを奪う。40分前田が基点になり成岡へ、センタリングをグラウに合わせようとするが通らない。両チーム、攻守の切り替えが速くなってきた。41分西が右サイドで仕掛ける。ファールをもらい、名波がFKを蹴る。中央で前田が入るがGKに防がれる。43分ゴール正面30mから山西がロングシュート。しかしそのボールをグラウが途中で触り、前田に落とす、ダイレクトシュートはゴール左隅に決まりゴール!3点目はジュビロに決まる。前半終了、勝負はまだまだ分からない。
- ハーフタイムコメント
- 柳下 正明監督
相手の両サイドをうまく使って攻撃していこう。
行徳 浩二監督
失点は崩されたものではない。イージーミスを無くせば問題ない。チャンスは多く作れている。それを何度も繰り返そう。そして積極的にシュートを打つこと。バランスを崩さないこと。
- 後半15分まで
- 交代なしで後半スタート。3分西がドリブルで仕掛け、中央成岡に繋ぐ。そして左の飛び出した名波へパスをすると中のグラウが動き出す。やわらかいセンタリングを上げるが合わない。4分トゥットに突破されるが鈴木と佐藤であんとかクリアー。まだまだ両チームにチャンスがある。6分河村の強烈なミドルシュート。ゴール右を外れてしまうが可能性のある良いシュートだった。9分左から三都主のセンタリング、佐藤が飛び出しカット。11分右からのCK名波が蹴るがGK真田に防がれる。この時間はなかなか中盤が作れない両チーム。ボールが落ち着かない。13分右サイドでグラウがドリブル、西への絶妙なパスを落ち着いてセンタリング、最後は成岡がヘディングでゴール!またもここで2点差にする。
- 後半30分まで
- 16分ここでエスパルスベンチが動き出す。沢登を下げ平岡投入。18分西がドリブルで仕掛けエスパルスDFをかき回す。20分河村が名波からのスルーパスを受け右サイドを駆け上がるが最終ラインを抜ききれずシュートが打てない。21分菊地のインターセプトから西がドリブルで速攻。グラウとワンツーで相手の裏をついていくがゴールラインを割ってしまった。西の動きが激しくなっている。24分西がベンチに行き、柳下監督から指示を受ける。25分安へ田中が激しくチェックに行きファールをしてしまう。切り替えの早いFKでトゥットが飛び出すがオフサイド。27分トゥットが左で仕掛けセンタリング、ニアに飛び込まれるがGK佐藤がセーブ。29分ゴール25m付近からの三都主のFK。直接蹴ったボールはゴールポスト。29分選手交代、清水は平松を磐田は西野を投入。西がベンチに下がった。
- 後半45分まで
- 清水は三都主がポジションを上げている。そこに河村が密着マーク。平松には菊地、安には鈴木、トゥットには山西がつき、守備を固めてきた。39分トゥットへのロングパスはオフサイド。40分三都主のセンタリングを菊地がクリアー。しかしこぼれを杉山にシュートされる。ボールをゴール上を越える。41分平松からのセンタリングをトゥットが飛び込むがGK佐藤が飛び出す。42分トゥットのセンタリングの三都主が飛び込むも佐藤がキャッチ。42分ジュビロゴール前で混戦エスパルスの怒涛の攻撃を受けるがなんとかクリアー。43分菊地に代え上本を投入。44分、エスパルスは北島投入。ロスタイム、ここで名波に代え中山が入る。決勝へ向けの準備が始まる。その中山にボールが行くがここは落ち着いた判断、スルーしてフリーの前田がシュート!ここで試合終了。元旦の決勝戦進出を決めた。優勝あるのみ。
選手、監督コメント
- 柳下 正明監督
- あと一試合なので、なんとか最後のゲーム勝って終われるようチーム一丸となってやっていきたい。
(ボランチ2人はどうでしたか?)
守備に対してはサイドに引っ張られても、守備ができるタイプなので心配はしてなかったですけど、やはりボールが入った時の落ち着きという点では、前半から厳しいプレッシャーが来た時にミスが多かった。少しは予想してた感じでプレーは続けられてました。
(前半は前田がアレックスに対して守備的なポジションをとっていた?)
アレックスにですか?それは指示してないです。両アウトサイドに関しては、アウトサイドと1対1ではなくて、内側からボランチが2対1の形を作る。ボランチが外に引っ張りだされたところを、当然名波が一番近い状況が多いので名波が戻る。その名波のスペースにツートップの1人が戻るという連動した動きはやるように言いました。
(西選手を下げたのは怪我を気にして?それともカードを気にして?)
両方です。少し左ひざを痛がっていたので。ただ動き自体はよかったんですけど。
(西選手が下がったことによる河村選手のポジションは右サイド?)
アレックスが左サイド高い位置を張ってきたので、成岡よりは河村の方がサイドで守備も両方できる。あと、平松が入ってきたときも同じで、成岡がそのままやるよりは菊地の方が抑えられる。成岡も名波もボランチの位置でもプレーできる。少し動く場所が多かったんですけど、彼らはやってくれると思って動かしました。
- 行徳 浩二監督
- 試合は残念な結果になりましたけども、選手は最後まで戦って諦めない非常にすばらしいゲームをしたと思っています。
天皇杯から指揮をとることになり、私なりに全力をつくしたつもりですが、やはり国立は遠かったなという感じです。
ただ、リーグ戦では一点もとれなかったチーム(ジュビロに1st:清水0-2磐田、2nd:磐田1-0清水)に2点とれて攻撃をポイントにトレーニングをしてきた成果は出たと思います。
ゲームは自ら失点してしまって、非常に苦しいゲームの流れでしたけども最後まで諦めず前を向いてゴールを目指して、3-5-2で戦っていたのですが途中で4-4-2のシステムにかえて両サイド中盤ワイドを高いポジションにとらせて4ー2ー4の形にしたかったのですけどもうまく機能しなかった。アレックスは中央に入ってしまって、太田はあんまり高いポジションをとれなかった。
平松も同じですけど。トレーニングをしてないから仕方ないと思うんですけど。最後北島をいれてスリートップにしたのですが、それも惜しい場面はあったのですが、点はとれなかった。非常に選手には感謝しています。
(あの時間帯(失点シーン)でミス、軽い対応、ボールを持っているシーンでもディフェンス同士のコミュニケーションがうまくとれないように見受けたのですが、その原因というのはどうお考えですか?)
ひとつはジュビロのプレッシャーのかけ方がうまかった。前の動き出しがなかったので、ディフェンスの選手がボールを持っている時ボールの出しどころがなかった。ということと、あとスペースにボールを出すということを戦術的に捕らえらない選手が何人かいる。
ボールがないときにコーナーフラッグにボールを出すということは、逃げることではなく戦術であるということが理解できていない。それで近くの選手に 苦しいところに出してしまいとられてしまう。ということがある気がしました。それは修正しなきゃいけないところですけども。
今日のハーフタイムにも言ったのですけどもそれは日々の積み重ねなので、言ってすぐできるわけではないという感じはしました。
- 成岡 翔
- 最初いい時間帯に点が取れたのが大きかったんですけど、そこで追いつかれて振り出しにもどったんで、みんな引き締まったんで、後半いい結果がでたと思います。
(前半のゴールシーンで自分の動きを振り返って?)
ロドが外にでてたんで、中に一枚遼一君(前田)しかいなかったんで、遼一君が逆に入ってきて(ペナルティーエリア内の)枚数を増やしてやろうという気ではいたんですけど、ほんとうにいいボールがあがってきたので押し込むだけでした。
(パスを出した瞬間別の場所に移動していた印象がありましたが?)
いつも監督に言われていることですけれども、出した後も次の動きをしろということで、あの場面はキーパーが早かったかなと思います。実際点を入れたのもいいボールがあがってきて押し込むだけだったし、試合内容としては自分があんまりよくなかったし、奪われる場面も多かったですし、特に基点となることもなかったので反省したい。もうちょっとサイドで基点を作って名波さんだけに負担をかけないように、西君と名波さんと僕で入れ替わって、もっとスムーズにボールが回せるようにしたい。
(天皇杯でのチームのムードは?)
みんな集中して、一丸となって頑張ってます。
(元旦ピッチに立つ思いは?)
去年まではTVで見てる方だったので、勝てて嬉しいですし、ここまできたら是非優勝したいと思います。スタメンか途中出場か出るか分からないですけど、ほんとにみんなと一丸となって勝とうという気持ちをもって頑張りたい。
- 田中 誠
- ああいう試合はほんとしちゃいけないと思います。来年はああいう試合は無くして、2点のリードを守りきれるような試合展開をチーム全体で引き締めてやりたい。
(気が緩んだ?)
緩んだわけではないんですけどね。向こうのセットプレーは練習しているのかわからないですけど、精度は高かったと思いますね。それにやられてしまった。
(ユース組みの評価は?)
個々の能力は高いものを持っているので、後はJリーグとかでスタメンで出て安定したプレーをしていけばもっと広がると思う。
- 前田 遼一
- 点がいい具合に入ったので良かったです。(得点シーンは?)相手がミスしたんで、落ち着いてロドの位置が見えたので良かったと思います。ほんといいボールが来て、あとは思いっきり打っただけです。
(前半は前線からプレッシャーかけてました?)
結構相手が後ろで(ボールを)持っている時間があったので、行きました。
(チーム全体としての戦い方は?)
まずは勝てたことがよかったと思います。
(柳下監督がこの大会を最後に退くことが決まってますが?)
ヤンツーさん(柳下監督)の誕生日なので是非勝って、年を明けたいなと思います。
(元旦にピッチに立つという思いは?)
子供のころからみていてやりたいなと思っていたので、楽しみです。
- 菊地 直哉
- 翔(成岡)とポジション変わって、サイドの選手をマークする所は、ほんと上手くやれたと思うし、ディフェンスになればユースの時からずっとやっているから、いい持ち味をだせたんじゃないかなと思いますけど。4点目取ってから相手も前係りになってたので、逆に僕はそっちの方がよかったですけど。
(フィードの部分は?)
ボールを持った時の動きっていうのがすごいよくないので、もっともっとミスを少なくしたい。(受けて側の問題もありますよね?)いやいや、僕のほんとにへたくそなせいで。自分の頭の中にあるんですけど、ただ能力が低いだけで、キックの質が下手ですね。もっともっと両足で色んな質のボールを蹴れるようにしたいですね。
(C大阪か鹿島が相手ですけど、どちらとやりたい?)
僕はどっちでもいいですけど、アントラーズにはナビスコで負けてる借りがありますし、悔しい思いを返したい
- 山西 尊裕
- 今日はやっぱり、菊地と成岡の所をもう少し前半落ち着いてサポートしてあげれたらなと思ったんですけど、自分で精一杯でサポートしきれなかったのが残念です。後半の途中からやっと3人のバランスがよくなってきて、それはそれでよかったですけどもう少し前半はサポートしてあげれたらよかった。でも結果的に成岡は点をとったしよかったですけど。
(フリーキックから点が入りましたが?)
前の2人の点ですよ。あれはただのミスキックで、入る時はあんなもんですよ(笑)。
結果であって、失点することは仕方ない。でも、前半のうちにリードできたのがよかったし、2点差に開かせる点が後半にとれた。いい時間帯に点がとれたのでよかった。前が調子いいので、前からいいプレスをかけてくれるし、点をとってくれるし、ディフェンスはやりがいありますね。
(菊地と成岡のところを具体的に説明してください)
できれば成岡の所で裏を意識させないで、前で前でプレーさせてあげたかったんですけど、太田(清水)選手が結構来て、自分も中のマークに追われていて、ちょっと出た時にサポートしきれなかったんですけど、自陣に向いて走るというのを少なくしてあげればよかったかなというのはあった。でも、後半修正できたのはよかった。菊地も最初はバランスとれてないかな?と思ってたんですけど、後半はいいバランスで守ってくれた。
- 中山 雅史
- 前半はチャンスをいかせたというところまでは良かったんですけど、その後に相手に押し込まれた部分がありまして、同点に追いつかれたところまでがちょっと苦しかった。後半は立て直して、自分達のやるべきことをやって、勝ちにつながったのでそれはそれでいいんじゃないかと思いますし、徐々にチームとしても安定間がでてきたのかなと思う反面、失点が天皇杯で初めてですけど2つうまれてしまったというところを反省して、次につなげていけたらと思います。
(ダービーに対する気持ちは?)
静岡ダービーということで、できればエコパなんかでやってくれればもっと盛り上がったのかな?というところはありますけど、色んなところで静岡の熱い戦いが披露できればいいと思いますし、そういう試合が今日も展開できたんじゃないかなと思います。
(初の天皇杯決勝ですが?)
なんとか元旦を笑顔で飾れるようにしたいですけど。そのためにこれからの4日間ですか?上手く充実した日々をすごして1日に向けて行きたいと思います。
(監督が天皇杯を最後に退くことでチームのムードは?)
それほど気負わず、自然体でやってると思いますけどね。