天皇杯三回戦
試合日時:2002年12月15日(日) 13時05分キックオフ
得点ボード
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- [試合時間]
- [スタジアム]
- [観 衆]
- [気温 / 湿度]
- [天候 / 風]
- [ピッチ状態]
- 90分→延長30分(V)→PK戦
- ジュビロ磐田スタジアム
- 8,343人
- 13.0度/48%
- 晴れ/弱風
- 全面良芝/乾燥
- [コミッショナー]
- [主 審]
- [副 審]
- [第4の審判]
- [記 録]
- [HOME/AWAY]
- 成田 雅明
- 辺見 康裕
- 二俣 敏明、勝又 光司
- 唐紙 学志
- 花澤 秀登
- HOME
試合経過(得点、選手交代、警告、退場)
中山 雅史 | 前半20分[得点] | |
川口 信男 | 後半12分[得点] | |
ジヴコヴィッチ(out) → 高原 直泰(in) | 後半17分[交代] | |
川口 信男(out) → 前田 遼一(in) | 後半25分[交代] | |
田中 誠 | 後半30分[警告] | |
中山 雅史(out) → 西野 泰正(in) | 後半35分[交代] | |
後半36分[交代] | 渡邉 千真(in) ← 吉村 勇一郎(out) | |
メンバー表
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スタメン |
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控え選手 |
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鈴木 政一 | 監 督 | 池田 亮司 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
中継レポート
- 試合前の状況
- Jリーグを完全制覇したジュビロが初優勝に向けて燃える天皇杯がいよいよスタート。3回戦からの登場となるジュビロの相手は、先週国士舘大学を破って高校チームとして初の3回戦進出を果たした国見高校。Jリーグ王者と高校王者の対決ということで大いに注目される3回戦の目玉ゲームだ。会場のジュビロ・スタジアムの天気は晴れ、これまでの試合と比べると当然気温はかなり低くなっており、ウォームアップをする選手たちもニットキャップや手袋をしている姿が目立つ。ただ、風はそれほど強くなく、選手にとってはとくにやりにくいというコンディションではないだろう。スタンドは試合前から7~8割が埋まっており、天皇杯の初戦としては取材陣も多く、注目度の高さがうかがえる。
- みどころ
- ジュビロのメンバーは、足に痛みを抱える名波と服部が休み、ハンブルガーSVの練習参加から帰国したばかりの高原もベンチスタート。代わりに川口、ジヴコヴィッチ、西の3人がスタメンに入った以外は、いつものメンバーだ。対する国見高校は、ウォームアップをする選手たちの姿を見ても、身体つきが高校生とは思えないほどしっかりしており、かなり鍛えられているという印象。精神的には、相手は本当に思い切りやれるのに対して、ジュビロはやややりにくさを感じるというゲームだが、それを覆してどれだけ力の差を結果として見せることができるかどうか、ジュビロの王者としての意地に注目したい試合だ。
- 15分まで
- 両チームの選手たちが入場。国見の選手たちは、全員が高原のような短い丸刈りにしている。そして国見のキックオフで試合開始。0分/中山が右サイドに開いて飛び出しセンタリング→ファーサイドから展開しなおしてペナルティエリア前から河村がミドルシュート→ゴール左に外れる。国見の選手たちはやや緊張感も見られるが、積極的に前からプレッシャーをかけてきている。ジュビロは中山、西の2トップに、アウトサイドは右に川口、左にジヴコヴィッチ。河村はボランチに入って、藤田が中央。それ以外はいつもと同じという布陣。2分/ジュビロの初CK→左から藤田が蹴るが、DFに頭でクリアされる。立ち上がりからジュビロがほぼボールを支配しているが、国見もゴール前はしっかりと固め、そう簡単には決定的なチャンスを作らせない。6分/ペナルティエリア前で後ろ向きにボールを受けた藤田が、華麗なドリブルで相手をかわして右からシュート→やや当たりが弱く、GKにキャッチされる。10分/川口が右から鋭いセンタリング→中山がオーバーヘッドでシュートを狙うが合わせられず。11分/国見の10番柴崎が左サイドからゴール前にクロス→良いボールが入ったがGK山本が直接キャッチ。12分/ジュビロの右サイドからのFK→ジヴコヴィッチがクロスボールを入れるが、GKにキャッチされる。ジュビロが攻めていることは間違いないが、フィニッシュにかかる部分での精度を欠き、完全に崩した場面はまだ見られない。
- 19分まで
- 18分/左サイドでボールを受けた西が自らドリブルで中に切れ込み、ペナルティエリア前でシュート→しかしDFが足に当てて防ぐ。技術はともかく、身体の強さ、当たりの強さという意味では、国見の選手たちはけっしてジュビロに引けをとっていない。
- 【先制点!】
- 20分/ペナルティエリア内右に持ち込んだ藤田が、余裕を持ってボールをキープし、切り返しでDFを外して左足で狙いすましたクロス→ファーの中山がダイビングヘッドで押し込む。国見の当たり負けしない守りにてこずっていたジュビロがようやく先制。しかし、さすがに選手たちの喜び方は控えめ。
- 30分まで
- 22分/攻撃参加した山西が左サイドをえぐって折り返し、ジヴコヴィッチがフリーでシュートを打つが、ゴール右に外してしまう。27分/藤田が中盤から右に流れてクロス→ファーの西が頭で合わせるが、GK正面。残念。27分/右の深いボールに川口がよく追いついてセンタリング→GKが判断良く前に出てキャッチ。ペナルティエリア内をしっかり固める国見に対して、ジュビロがペナルティエリア前でテンポ良くボールを回しており、なかなかボールを奪われないが、決定的なチャンスもなかなか作れない。
- 45分まで
- 33分/国見の初CK→右から松橋が蹴ったが、GK山本が余裕を持ってキャッチ。34分/ペナルティエリア前でボールを受けた西が、自ら反転して右足シュート→しかし味方の中山の足に当たってしまう。35分/ジュビロの左コーナーポスト付近からのFK→ジヴコヴィッチが蹴って河村が頭で合わせるが、大きく上に外れる。38分/後方からのロングフィードを中山が落とし、西が拾ってドリブルで相手をかわしシュート→しかしGK正面。残念。39分/国見の左CK→ゴール前にボールが入るが、田中が頭でクリア→その後のカウンターからジヴコヴィッチが右からクロス→中山がワントラップしてシュート体勢に入ろうとするが、DFのスライディングに阻止される。40分/福西が接触プレーで足を痛めてタンカで運び出されるが、無事に復帰。42分/国見の左からのロングスロー→きっちりとゴール前まで届いたが福西がクリア。43分/ゴール前の混戦からジヴコヴィッチと西が浮き球でパス交換して最後は西がシュート→しかし鋭く前に出たGK関のファインプレーに阻止される。惜しい。ロスタイム1分の表示。そして間もなく前半終了の笛。ジュビロが完全に中盤を支配し、相手にシュートを1本も打たせていないが、ゴールに向かう詰めの部分の厳しさがなく1点止まり。力の差を見せつけるというよりも、国見高校の善戦が光っている。
- ハーフタイムコメント
- 鈴木 政一監督:
中盤でのバランスを保つこと。パス展開を早くし、動き出しも早く。アタッキングゾーンでは積極的にシュートを。
池田 亮司監督:
もっと思い切って行け。
- 57分まで
- ジュビロのキックオフで後半がスタート。両チームとも交代はなし。立ち上がり早々、国見がジュビロ・ゴールに迫る。1分/ハイボールの競り合いで福西が長身の平山を倒し、ペナルティエリア右前からの国見のFK→柴崎がゴールに向かうボールを入れるが、合わせる選手がなく、GK山本が直接キャッチ。3分/中山の落としから西が右からえぐってセンタリング→ファーに流れた中山を狙ったが、前に出たGKにカットされる。9分/田中の縦のフィードでジヴコヴィッチが左サイドを抜け出し、センタリング→しかしファーの中山には届かず、GKにキャッチされる。10分/国見が右サイドから突破してセンタリング→柴崎がペナルティエリア前でボレーシュート→鈴木が身体に当てて阻止。国見が初めてシュートまで持ち込んだ。
- 【2点目】
- 12分/鈴木の縦パスから藤田がペナルティエリア右に飛び出し、ヒール気味に後方に落とす→右から入った川口が左足でシュート→ゴール左にきれいに決まって、ジュビロがようやく2点目を奪った。
- 70分まで
- 14分/右に流れた西が左足でクロス→中山がゴール前に飛び込むがわずかに頭上を越える。15分/藤田から左でフリーになっているジヴコヴィッチにボールが出て、シュート気味のセンタリング→しかし精度が甘くDFにカットされる。
【交代】17分/ジヴコヴィッチ→高原。Jリーグ得点王の高原が登場し、スタンドは一気に盛り上がる。これで、ゴン・タカ2トップとなり、西は左サイドへ移動。19分/ジュビロのカウンターから藤田が左に流れた高原にパス→高原が自力でシュートに持ち込もうとするが、国見が3人がかりで阻止。20分/川口が右から抜け出して、そのままゴール前に迫るが、飛び出したGK関にまたしても止められる。23分/ペナルティエリア前で後方からのパスを胸で受けた高原がそのまま浮き球で裏へ→中山がゴール前に飛び出したがわずかにオフサイド。残念。
- 80分まで
- 【交代】25分/川口→前田。河村が右サイドに移って、前田はボランチのようなポジションをとっている。29分/松橋の突破を遅れて倒した田中にイエローカード。ジュビロがボールを支配しているが、攻撃はやや中だるみ状態になっている。【交代】35分/中山→西野。
- 試合終了
- 35分/右からのクロスに西野が飛び込むが、GKと激突してゴール左に外れる。このプレーでGK関が頭を打って倒れるが、無事に立ち上がる。【交代】36分/吉村→渡辺千。37分/左に流れた前田からのクロス→ゴール前で高原が胸でトラップし、シュートを打とうとするが、DFにカットされる。39分/中盤に上がった鈴木が右サイドからクロス→高原がニアに飛び出してフリーでヘディングシュート→しかしGK正面。残念。40分/ペナルティエリア前でのスルーパスで国見のFW平山がゴール前に抜け出すが、これはオフサイド。41分/前田が右からえぐってセンタリング→ファーに高原が飛び込むが届かず。ロスタイム2分の表示。46分/左サイドから数的優位を作られてペナルティエリア前正面からシュートを打たれるが、田中が身体に当てて阻止。そして、その後まもなくタイムアップ。結局ゴールは2点に止まり、2-0でジュビロが4回戦進出を決めた。
選手、監督コメント
- 鈴木 政一監督
- (国見高校の印象は?)本当に一生懸命みんな真面目に向かってきてくれた部分、反対に勉強になったんじゃないかな。そういう気持ちを僕らも持たなければならない。来週1週間トレーニングできるので、コンディションを高めて次のゲームは頭からいってもらいたい。最終ラインは攻撃している時に残っている選手のチェックをサボってしまう部分がある。あそこでもう一回しっかりとチェックに入れれば、インターセプトで2重、3重の攻撃ができるんですけどね。一つの課題でしょう。
- 小嶺総監督
- 他の競技ではまったく考えられない、高校生がプロ相手に試合ができて生徒は幸せだ。戦術は何もなし。ただ、引きっぱなしにならず自分達で戦え。これで自分のプレーが通用しなかったら将来プロの資格なし。自分でトライして自分のプレーをだして、通用すると思ったものはプロにトライしなさい。90分フィジカルが落ちずに戦えたし、常にチャレンジ精神でできたことは評価している。0-2のスコアは出来すぎ(笑)。試合前に一桁で終われば幸せだなぁと思ったんだけど、まさか2点で終わるとは思わなかった。ジュビロにはJリーグでも5点差がつくチームがあるから、5点以内に抑えればJリーグに入れるぞと冗談で言っていた(笑)。選手権までのスケジュールは、もし今日10点以上取られていたらショックで体が起き上がれないから1週間休んで遊ぶぞ!とやろうと思ってました。完全に休養を与えてリラックスさせてあげようと思ってましたけど今回はどうすべきかな(笑)
- 川口 信男
- 相手は必死に戦ってきていたのでやり辛い部分はあった。自分自身センタリングのミスが多かったし、中で中山さんがフリーの時が何度もあったんですけど、いいパスを出せなかった。得点シーンは俊くんがいいパスを出してくれましたし、パスが来ると信じて走りこんだらやっぱりいいボールが来て入ってホッとしました。トーナメントなんでとにかく勝たなくてはいけない試合ですし、相手は高校生とは言えやはりいいチームだと思うし、僕らも初戦ということで非常に出来が悪かったんですけど、また次につながったということでこの1週間集中して次の試合に臨みたい。
- 田中 誠
- ちょっとミスがあると、高校生レベルの試合でミスするのかよという目で見られてしまうので、そういうプレッシャーのキツイゲームでもありましたね。高校生でもしっかり自分達の戦術もって、自分達のサッカーしてきて健闘したと思います。チームの状態は面子も変わってきているので、コンビネーションの部分でもやっぱり課題が多かったので、来週しっかりと修正して挑みたい。
- 山西 尊裕
- (国見のFWは?)対策としては高さで勝負するのではなく、こぼれ球を作ることを狙っていた。いい選手だと思います。高校生なので素直にパスを出してくれるところがあるので、一つの狙いどころかなと思っていたんですけど、まだまだイージーミスがあって自分達で苦しめているところを自分達のサッカーで貫いていけるようにしたい。これからJのチームとやっていくので、もっともっとプレーの質を上げていかなければいけない。自然に戦いやすくなってくるのは確かだと思うので、コンディションと気持ちをしっかりと持っていけばいいと思う。