試合前の状況
アントラーズ3本勝負の2試合目となるナビスコカップ準決勝第2戦。ジュビロとしては初めて訪れる新装カシマサッカースタジアムは、台風と変わらないほどの豪雨と強風に見舞われ、かつてないほど異常なコンディション。ピッチもスタンドから見ると光って見えるほど水をたっぷり含んでおり、まともなサッカーができる状態ではない。スタンドは、屋根がある部分の席にも雨が激しく降りこんでいるが、それでもカッパも着ないで応援しているジュビロ・サポーターが多数見かけられる。 |
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みどころ
両チームとも、欧州遠征から帰ったばかりの代表選手たちも先発として名を連ねたが、ジュビロは中盤の要の名波が欠場。対するアントラーズは、第1戦を欠場した小笠原が戻り、ファビアーノはケガで欠場となったが、ほぼ万全の体制だ。いずれにしても、今日のコンディションではジュビロらしいサッカーは望めないが、ジュビロにとっては非常に安定した守備陣が健在なのは大きな強み。第1戦で1-0で勝っているため、0-0で終われば決勝進出が決まるジュビロは、まずは失点しないことを第一に考えたサッカーをすると予想されている。 |
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15分まで
激しい雨の中、予定通りキックオフ。いざゲームがスタートすると、予想通りボールはまったく転がらず、ゴロのパスはほとんど途中で止まってしまうため、パスがつながらない。当然、後ろから大きく蹴る攻撃が主体のサッカーとなっている。ただ、ピッチの中で両サイドのスペースは、比較的ボールが転がりやすくなっているので、ホームのアントラーズがそこを生かしてやや優位に試合を進めている。6分/ビスマルクのクロスを鈴木が頭で落とし、小笠原が飛び込んだが、鈴木がよく戻ってクリア。ややあぶない場面。序盤は、今日の勝利が不可欠なアントラーズが、積極的な攻撃に出ている。9分/服部の後方からのFK→ペナルティエリア前でバウンドが滑ってDFが空振り、そのままゴールに向かうが、ゴール左に外れる。10分/西が中盤のやや右から強引なロングシュート→ボールが重く、弱いキックがゴール左に外れる。12分/ペナルティエリア前でのこぼれ球からアントラーズが右に展開し、小笠原が角度のないところからシュート→ヴァン ズワムが足で好セーブ。その後のこぼれ球が再び鹿島ボールとなり、藤田が後ろから倒してイエローカードを受ける。その後のFKは、アウグストが右から直接低いボールで狙うが、壁に当たる。まったく自分たちのサッカーができないジュビロにとっては、我慢のサッカーが続いている。 |
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30分まで
15分/中山が右サイドで粘って、コントロールの良いセンタリング→低いボールがファーに流れ、奥が飛び込んだが、わずかに合わず。ジュビロ初めてのチャンス。残念。16分/右に流れた中山にボールが出て、角度のないところからシュート→GK正面。19分/ペナルティエリア前左でFWが戻したパスを受けた小笠原がカーブをかけたシュート→枠をとらえたが、ヴァン ズワムがパンチングで弾き出す。その後のCK→ショートで右からクロスが入り、奥がニアでさわってコースを変えたボールがファーの鈴木隆行にピッタリ→ボレーシュートを打たれるが、ゴール上に外れる。先ほどから少し危ない場面が続いている。相変わらず雨は激しく、ピッチ上の選手たちは、目を開けているのもつらそうな状態。25分/ジュビロの左CK→奥のカーブをかけたボールが直接ゴールに向かうが、GK曽ケ端に弾き出される。28分/左からのスローインから西が浮き球のスルーパス→藤田が縦に飛び出して、GKの頭を越えるループシュート→しかし、ゴールの枠をとらえられず、DFにクリアされる。惜しい! しかし、徐々にジュビロが攻撃する場面が増えてきた。 |
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45分まで
25分を過ぎたあたりから、ジュビロが攻めて、アントラーズがカウンター狙いという形が多くなってきた。ジュビロの選手たちも、徐々にピッチ状態を把握してきた様子だ。個人個人のボールキープ力では、ジュビロのほうが上回っている。36分/アントラーズの右CK→ビスマルクが蹴り、ゴール前でスペースができたところにボールが入ったが、なんとかDFが身体を寄せて阻止。ややヒヤリとする場面。徐々に疲れが出てきたか、試合はややこう着状態に。互いになかなか相手ゴールに近づけない状況が続いている。42分/アントラーズの右CK→ビスマルクが良いボールを入れたが、DFがクリア。【退場】44分/鈴木秀人とルーズボールを競り合ったアウグストが、ゴールライン際で後ろから鈴木の足を故意に蹴り、一発レッドが出された! これで、ジュビロが1人多い状況に。3分半のロスタイムで前半終了を告げる笛。いくつかあぶない場面もあったジュビロだが、最悪のコンディションの中、とりあえず狙い通り無失点に抑えている。 |
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60分まで
まだ衰えない豪雨の中、ジュビロ・ボールで後半がキックオフ。アントラーズは、本田に代わって金子が入っている。前半に比べれば、選手たちもピッチに鳴れてきたのか、水が少しはけてきたのか、前半開始時よりはスムーズにボールが回っている。2分/後方からのスライディングで鈴木を倒した福西にイエローカード。9分/ジュビロが相手ゴール前でしっかりとボールを回し、最後は前田の戻しを受けた西が正面からシュート→わずかにゴール左に外れる。残念! 10分/アントラーズの速攻から柳沢が落としたボールをビスマルクがシュート→ゴール左に外れる。12分/ペナルティエリア前で鈴木秀が鈴木隆を抱え込んで倒し、主審の笛。イエローは出なかったが、良い位置でFK→ビスマルクが狙い、奥が飛び出してカットするが距離不足でイエローカード。イヤな記憶が蘇ったが、もう一度ビスマルクが蹴ったボールは壁に当たってクリア。1人少ないアントラーズが攻勢をかけている。 |
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75分まで
【交代】17分/前田→金沢。疲れが見えてきた前田を下げ、西がFWに上がって、奥が右に移動し、金沢が中盤の左サイドに。【交代】アントラーズ18分/熊谷→本山。アントラーズはいつもよりも早く切り札の本山を投入。22分/右斜めからのFK→藤田がDFラインとGKの間を狙って蹴るが、届く選手がなく、そのままラインを割る。【交代】アントラーズ22分/小笠原→長谷川。鹿島は得意の3トップで、必死の反撃。26分/左サイドの中山のキープから藤田を経由して右にサイドチェンジし、奥が絶妙のセンタリング→ファーに藤田が飛び込んだが、わずかに届かず、シュートできず。そのこぼれ球から金沢がシュートするが、当たり損ねて右に外れる。やはり前半に比べてボールの転がりが良くなってきたようで、ジュビロ得意のグラウンダーのパスが回って、ボールをキープしている。29分/アントラーズの左後方からのFK→ゴール前の混戦から柳沢にシュートを打たれるが、DFが身体に当てて止める。 |
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試合終了
【交代】31分/奥→河村。河村は、そのまま右サイドに入った。33分/左サイドでボールを受けた西がドリブルで中に入ってシュート→GK正面。33分/河村が右サイドを縦に抜け出してセンタリング→中山がフリーで飛び込んだが、ボールが深すぎて届かず。35分/右サイドで本山のドリブルに対応した河村が、足を払って倒し、イエローカード。ジュビロのDF陣は、集中力を切らすことなく、鹿島にシュートを打たせないまま、刻一刻と0-0のまま時間が過ぎてゆく。36分/右の藤田からのクロス→ファーで受けた西が後ろに戻し、金沢がシュート→ジャストミートしたが、DFに当たってコースが変わり、左に外れる。残念。【交代】39分/西→川口。川口は、久しぶりにFWとして登場。この直後、またさらに雨が激しくなってきた。雨の幕でピッチが霞んでいる。41分/金沢のスルーパスで川口がペナルティエリア右に抜け出し、丁寧な折り返し→中山がフリーで飛び込んだが、飛び出したGK曽ケ端に指先でコースを変えられ、中山は合わせられず。惜しい! 残り5分を切っても、ジュビロがよくボールをキープし、あぶなげない展開。44分/ビスマルクの縦への長いフィード→飛び出したヴァン ズワムの前で柳沢にヘディングされるが、ゴール左に外れる。ジュビロ・サポーターもドキッとした場面。ロスタイム3分の表示。アントラーズの選手たちは完全に足が止まり、縦1本のボールにかけるのみ。47分/左後方からのビスマルクのFK→ファーサイドでアントラーズの選手が競り勝つが、そのままゴール右に外れる。ロスタイムもあとわずかというところで服部が相手のファウルで倒され、それと同時に主審の長い笛。服部は頬を押さえて無事に立ち上がる。これで、0-0のまま試合終了。ジュビロは、2試合を通して宿敵・鹿島を無失点に抑え、1勝1分けで3年ぶりのナビスコカップ決勝進出を決めた! |
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鈴木 政一監督
結果的に決勝に進出でき、ゲームプランとしては良かった。この2戦を通して無失点で抑えたことは、自信につながり、大変良かった。この自信を、13日のゲームにつなげていきたい。 |
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服部 年宏
グラウンドがこんなに悪いと思ってなかったけど、その中でもけっこうサッカーができた。1-0のリードを守りきれて良かった。ここまで来たら、負けたら意味がないので、優勝するために頑張りたい。 |
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福西 崇史
おもしろみのない試合になってしまったけど、ああいうサッカーになるのは仕方ない部分もあった。引き分けられたことだけは良かった。今日は結果オーライ。後半は、少し水が引けてパスが回るようになった。守りに入りすぎることなく、ボールの出所を抑えることを第一に考えていた。チーム力の勝利だと思う。 |
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鈴木 秀人
(4試合連続の完封は)今は本当に、後ろの3人とアルノとでいいコンビネーションでやれているので、もっともっとそれを続けたい。アントラーズのFWはどんな動きをするかはある程度わかっていたし、中盤もボールの出所をよく抑えてくれたので、守りやすかった。アントラーズを2試合続けて0に抑えることができて、自信になった。土曜日も無失点に抑えて、3試合連続にしたい。 |
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田中 誠
こんなコンディションで攻撃のリズムはつかめなかったけど、集中が切らさないように頑張ろうと声を掛け合いながらプレーして、0点に抑えられて良かった。(4試合連続完封は)やっぱり集中できているということだと思う。できたら、これをずーっと長く続けていければいいすね(笑)。次のエコパも負けられない一戦なんで、集中して勝てるように頑張りたい。 |
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中山 雅史
最低限の結果は得られたので、そのことに関しては良かった。90分間、集中力を切らすことなく0点に抑えられることができたことも良かった。攻撃に関しては、後半数的優位の中でボールを回しながら、もう一工夫しながらシュートまでいけたら、もっと良かったと思う。僕らは引き分けても決勝にいけるという余裕があったけど、その中で守りに回りすぎることもなく、堂々とやれたと思う。 |
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