試合前の状況
ナビスコカップ準決勝からセカンドステージ第8節までの対アントラーズ3連戦がいよいよ始まる。今日の舞台は、ホームのジュビロスタジアム。天気は非常に良く、空気も適度に乾燥しており、スタンドにはとてもさわやかな空気が流れている。選手たちにとっても、動きやすいコンディションと言えそうだ。また、最近の天候の急激な変化のせいか、芝がやや傷んできているが、他のスタジアムに比べればかなり状態は良く、プレーには支障ないだろう。そして、これから始まる激戦に向けて、スタンドの緊張感は徐々に高まってきている。 |
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みどころ
セカンドステージでは全勝で首位を走るアントラーズと、1敗で2位につけるジュビロの対決。今後の3連戦に向けても、ぜひ勝って勢いをつけたい大事なゲームだ。ジュビロのスタメンは、前節を膝の痛みで休んだ大岩が復帰し、それ以外はグランパス戦と同じ。現状ではベストと言っていいメンバーが揃い、宿敵との大事な一戦に向けて、十分な準備が整っている。対するアントラーズは、中盤の柱となる小笠原が顔面のケガで欠場しており、攻撃の構成力という意味ではやや落ちるが、各ポジションに強さのある選手が揃っており、接戦になれば強みを発揮するはずだ。いずれにしても、お互いの意地と意地がぶつかり合う、文字通り火花を散らすような戦いが予想されるゲーム。その中で、ジュビロが技術と精神力で上回り、ファーストステージのような完勝を再現してくれることを期待したい。 |
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15分まで
アントラーズのキックオフで試合開始。いきなり柳沢がキックオフ・シュートを打つが、ゴールラインを割り、試合は実質的にジュビロのゴールキックでスタート。立ち上がりはアントラーズがかなり高い位置から厳しいプレッシャーをかけているが、ホームのジュビロはひるむことなくボールをつないで自分たちのリズムを作ろうとしている。3分/アントラーズのFKのこぼれ球から、熊谷にフリーでミドルシュートを打たれるが、当たり損ねて左に大きく外れる。アントラーズの中盤が非常にコンパクトでプレッシャーが厳しく、ジュビロは最終ラインでボールを回しても、そこからなかなか前にボールを運べない。また今日は、奥が左サイド、藤田が右サイドに入って、それぞれ名良橋とアウグストのケアをしている。8分/服部の左からの長いクロスを、右に流れた中山がダイレクトで折り返すが、飛び込んだ藤田にわずかに合わず。初めてジュビロが相手ゴールに近づいた場面。11分/ペナルティエリア後方のやや右でボールを受けた中山が、遠目から思い切ったシュート→無回転のボールがゴール前で急激に変化して落ちたが、わずかにバーを越える。スタンドからはどよめきが起こった。12分/ビスマルクのスルーパスで2列目から熊谷に飛び出されるが、トラップミスに救われ、ヴァン ズワムがキャッチ。初めてのピンチ。ジュビロがわずかに押し気味だが、アントラーズもボールを奪った後鋭い速攻を見せており、序盤から緊迫感のある好ゲームとなっている。 |
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30分まで
お互いになかなかチャンスは作れないが、中身の濃い展開が続く。21分/名波の糸を引くようなサイドチェンジで奥が左サイドを駆け上がり、センタリング→ニアに中山が飛び込むがわずかにボールが高く、GKにキャッチされる。25分/アントラーズの右からの攻撃で、中に入ったパスをうまく受けた鈴木が、マイナスの折り返し、中田が飛び込むが、それよりも一瞬速く藤田が戻り、クリア。あぶない場面を救った。28分/清水がペナルティエリア左角付近で倒され、良い位置からFK→名波がファーサイドを狙い、大岩が折り返そうとするが、ボールが高く戻しきれず。チャンスの数は少ないが、見ていても息を抜くヒマがなく、時間が経つのが早く感じられる。 |
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45分まで
32分/奥の左CK→ニアに藤田が飛び込んで、頭で後ろにそらそうとするが、DFに阻止される。だが、CKの新しい形が見られた。アントラーズの中盤でのプレッシャーが、序盤ほど厳しくなくなり、ジュビロが押し気味に試合を進める時間が長くなってきたが、まだ決定的なチャンスには至らない。39分/服部がペナルティエリア前で相手に競り勝ってカウンター→右に開いた清水にボールが渡り、清水がドリブル突破を図るが、中田にストップされる。43分/名波のボールカットからカウンター→服部が左サイドを上がり、クロス→ファーに清水が飛び込むが、本田の粘り強いマークに阻止される。ロスタイム1分の表示。その後、大きな見せ場はなく、主審の長い笛。お互いにまだ無理はしないという部分もあったが、前半は非常に締まった内容で0-0のまま終了した。 |
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53分まで
ジュビロのキックオフで後半がスタート。1分/アントラーズの左からの攻撃→中に入ったクサビのボールを鈴木が受け、素早く反転して角度のない近いところからシュート→ヴァン ズワムが足で見事にセーブし、ピンチを防ぐ。後半も、初めから互いに攻守の切り換えが速く、相変わらずスリリングな展開。ペナルティエリア左に斜めに入った中山に服部からスルーパス→中山がDFの股間から左足シュート→ゴール右に外れる。ジュビロの後半初シュート。中盤でボールを受けた奥が、前が空いたのを見て、ドリブルからミドルシュート→しかし、GK正面。こう着した状態を打開しようと、互いに遠目からでもシュートを狙っている。 |
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【先制点!】
9分/中山とのワンツーから藤田がペナルティエリア内に抜け出し、シュート→GKがこれを弾くが中山がこのボールに詰めてGKと交錯→そこでこぼれたボールを清水が拾ってシュートを決め、ジュビロがついに先制点! 待ちに待ったゴールに、清水が大きなガッツポーズを見せた! |
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70分まで
【交代】12分/中山→前田。中山は、次節のことを考えた交代か。13分/鈴木のクリアボールから清水がDFラインの裏に抜け出し、右からシュート→右サイドネットに突き刺さる。残念。しかし、待望のゴールが決まって気を良くした清水が、活発な動きを見せている。18分/ペナルティエリアほぼ正面約20mのFK→奥が直接狙うが、壁に当たってゴールならず。その後の2次攻撃で清水が、ペナルティエリア外から思い切ったシュート→ゴール左に外れる。1点を先行されたアントラーズだが、第2戦のことも考えてか、あまり無理に攻撃をしかけてこない。ジュビロも、相手のカウンターを警戒しながら、左右にボールを散らして攻める。23分/DFラインの前でのパスミスからアントラーズにカウンターのチャンスを与えるが、田中が冷静な対処で相手のミスをついてボールを奪い返す。 |
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80分まで
26分/ペナルティエリア左外でボールを受けた清水が、ドリブルで中に進み、自らシュート→DFに当たる。【交代】鹿島27分/本田→相馬。相馬が左SBに入り、アウグストは中盤の左サイドに。また名良橋が中盤の右サイドに上がり、熊谷が右SBに下がった。28分/アントラーズが早いリスタートからビスマルクのクロス→ゴール前に飛び込んだ名良橋がヘディングシュート→ヴァン ズワムがジャンピングキャッチ。【交代】鹿島31分/柳沢→本山。これで本山と鈴木の2トップに。しかし、ジュビロのDF陣にほとんど動揺はなく、冷静な守りを見せている。 |
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試合終了
【交代】鹿島36分/アウグスト→長谷川。これで、長谷川、鈴木の2トップで、本山の1.5列目という形。37分/藤田→金沢。38分/金沢のパスで名波が左サイドから抜け出し、センタリング→しかし直接ゴールラインを割ってしまう。39分/金沢がペナルティエリア左から単独で突破し、中に入って倒されるが、笛はなし。残念。42分/名波が本山とすれ違いざまに顔面を打って倒れ、試合が中断するが、無事に立ち上がる。45分/左コーナーポスト付近からのFK→奥が蹴って中央で弾かれたボールを名波がシュート→ゴール右に外れる。【退場】46分/熊谷がこの日2枚目のイエローカードを受けて退場。ジュビロは、このまま1-0で終わろうと、ボールをキープして時間稼ぎ。そして、4分ちょっとのロスタイムで90分の戦いが終了。ジュビロは、相手の攻撃を完封した磐石の守備と、清水の久しぶりのゴールで、大事な初戦に1-0で勝利。これで今年はアントラーズに対して2勝0敗、今後の戦いに向けても大きな弾みをつけた。 |
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