試合前の状況
2001ヤマザキナビスコカップ1回戦。今日は、4月4日に行なわれたホームゲームに続くアウェーゲームとなる。前回が2-2の引き分けに終わったため、今日の勝敗で2回戦進出のチームが決まるという状況で、両チームとも今日の試合にかける意気込みは強い。会場の長居スタジアムには、試合直前になって雨がポツポツ落ちてきたが、アウェーでの平日のナイター、しかも雨という状況でも、ジュビロ・サポーターはしっかりと駆けつけて声援を送ってくれている。 |
|
みどころ
今月組まれたセレッソ3番勝負の最後の戦いがいよいよ始まる。ここまでの2戦は、1勝1分だが、どちらも非常にきわどいゲームであり、セレッソも自信を失ってはいない。両チームとも、スタメンは土曜日の試合と1人ずつしか変わっておらず、前回退場になったジュビロの田中とセレッソの大久保が出場停止の分、ジュビロでは出場停止だった鈴木が復活し、セレッソは真中が入った。前回は、ジュビロが辛くも逆転勝ちしたが、非常に荒れた試合となり、今日も激しい戦いが予想される。そんな中でも、冷静に自分たちのリズムを作ったチームが優位に試合を進めるだろうが、ジュビロが本来のサッカーをすれば、必然的に勝利は近づくはずだ。 |
|
15分まで
序盤は、ここまでの2戦と比べると、かなり静かなスタート。両チームとも、DFのポジショニングに注意を払いながら、組織をしっかりと整え、相手の出方をうかがっている状況だ。そんな中で、ジュビロのほうが少しキープ率で上回り、パスを回して攻めに出ているが、まだ決定的なチャンスは作れていない。セレッソのほうも、ボールを奪ったら素早く大きなサイドチェンジを行ない、ワイドかつ速い攻めを展開しようとしているが、チャンスには至っていない。 |
|
30分まで
15分を過ぎたあたりから、セレッソが徐々に良い形を作り始め、とくに左サイドバックのキムがオーバーラップからのドリブル突破などでチャンスを作り、中央の高さのある岡山に合わせる場面が目立つ。セレッソは、岡山が競ったこぼれ球からシュートという狙いを持っているが、ジュビロDF陣も身体を張った守りとカバーリングで防いでいる。26分/藤田の右からのクロス→ファーサイドの高原がドンピシャのボレーシュートを打つが、DFが投げ出した身体に当たる。残念。28分/ユンが中央からドリブルで持ち込み、左足シュート→GK正面。ここまでは一進一退の攻防だが、展開としてはややセレッソのペース。 |
|
45分まで
30分過ぎからは徐々にジュビロのペースに移行。中盤を支配してパスをつなぎ、トップへのクサビのパスや、DFラインの背後へのスルーパスを狙うが、セレッソの守備が厚く、なかなか良い形でボールをゴール前まで運ぶことができない。ただ、過去2戦の反省からか、両チームとも激しい中にもフェアなプレーを徹底し、2戦とも先制点を奪われたジュビロは、まずは守備を整え、大岩を中心として冷静かつ身体を張った守りでセレッソの攻撃をシャットアウト。両者得点はなく、0-0のまま前半が終了した。ここまでは、まさにがっぷり四つのゲーム。 |
|
ハーフタイムコメント
鈴木 政一監督:相手のカウンター攻撃をスピードダウンさせること。空中戦は今のままで良い。しっかり競り合っていこう。中央の攻撃が多いので、タイミング良くサイドをついていこう。
副島 博志監督:ペースを乱さないで、今のまま続けること。攻撃は、流れを止めないで、フィニッシュまで。守備は、集中を維持。みんなで勝ちにいこう。 |
|
60分まで
奥とジヴコヴィッチが交代して、後半がスタート。5分/セレッソの右からのFK→横に流してシュート→ポストに当たって跳ね返ったボールに、セレッソの選手が詰めたが、DFが身体を投げ出して阻止。非常にあぶない場面だった。その1分後、ジュビロの速攻で左サイドからセンタリング→藤田がゴール前でボールを受けたが、トラップがややズレてシュートならず。残念! 立ち上がりで、お互いにひとつずつ決定的なチャンスを作ったように、どちらも点を取るために攻勢に出ており、カウンターの応酬が続く。【交代】セレッソ12分/岡山→森田。ジュビロがサイドから早めにクロスボールを入れて、いい形を作っているが、セレッソの守りも厚く、なかなか決定的なシュートは打てない。 |
|
75分まで
【交代】17分/藤田→川口。機能し始めたサイド攻撃を、より鋭いものにするために、川口に右サイドに入る。その後は、セレッソがバックラインを押し上げて、分厚い波状攻撃を仕掛けて、優位に試合を進めている。キムやノが精力的な動きから、ドリブル突破やスルーパスでチャンスを作っているが、ジュビロDF陣がなんとかそれを防いでいるという状況。ゲームの主導権が行ったり来たりしているが、依然としてゴールは生まれず0-0。 |
|
86分まで
35分/川口が右サイドを突破しようとしてファウルを受けFK→名波が角度のないところからニアサイドを狙い、一瞬入ったかと思われたが、GK河野のスーパーセーブに阻止される。惜しい! 38分/中山が右サイドを突破しようとしてファウルを受けFK→名波がカーブをかけたボールに中山が頭で合わせたが、わずかにバーの上に外れる。残念! ここにきて再びジュビロが猛攻をしかけて、セレッソゴールに襲いかかっている。 |
|
【先制点!】
42分/右サイドから高原がセンタリング→中山がファーでヘッドで折り返し、ジヴコヴィッチが左足のシュートでゴールネットを揺らす。終盤に猛攻を見せたジュビロがついに先制点を奪った! |
|
【同点】
44分/後ろから入ったボールから、ジュビロ・ゴール前で混戦となり、最後は真中に押しこまれる。土壇場で同点に。 |
|
ロスタイム
ロスタイム3分の表示。【交代】セレッソ/ノ→大柴。同点に追いつかれたジュビロだが、90分以内に試合を決めようと、激しい攻撃を仕掛ける。 |
|
【勝ち越し点!】
ロスタイム/ジヴコヴィッチのセンタリング→高原が中央でヘッド→バーに当たって跳ね返ったところを、中山が頭で押し込む。執念のゴンゴールで、再びジュビロがリード! |
|
試合終了
【交代】川口→金沢。セレッソもあきらめずに最後の力を振り絞って反撃するが、そのままタイムアップ。最後の最後で大きく動いたゲームは、ジュビロが前回に続いてロスタイムにゴールを決めて、粘るセレッソをねじ伏せた。驚異的な勝負強さを見せるジュビロは、今季ここまで無敗。ナビスコカップ2回戦進出の切符をしっかりと手に入れた。 |
|
|