試合前の状況
いよいよ始まる静岡ダービー・チャンピオンシップ。天気もそれを祝うように雲ひとつない快晴となり、気温もこの時期としては高めと、コンディションも最高。ピッチ状態は、夏頃にはやや痛みが目立った芝もすっかり良い状態となり、チケットも完売。スタジアム全体が大一番独特の緊張感のある空気に包まれ、Jリーグの歴史の1ページをつづる熱い戦いに向けて、最高の舞台が整った。 |
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みどころ
ジュビロは、アジウソンが前節で負った右膝のケガで欠場し、代わりに男・前田がセンターバックに入った。服部をボランチで使う決断をした桑原監督は、福西をサブに回し、勝負どころで起用するという構想のようだ。対するエスパルスは、戸田が突然の風邪で欠場となり、リベロの位置には大榎が入る模様。その他はセカンドステージ終盤の不動のメンバーで、ジュビロにとってはアレックス、市川の両サイドの攻撃をいかに封じるかが大きなポイントになりそうだ。そして、もうひとつの大きな勝負どころは、もちろん両チームが誇る中盤での攻防。バランス重視の中盤を組んだジュビロが、いかに主導権を握るか注目したい。試合開始30分前、すでにほぼ満員となったスタンドの8割は青いビニール袋の色で染まる中、ピッチに飛び出しウォーミングアップを行なう両チームの選手たちは、身体全体から気合いを発散させている。 |
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12分まで
サポーターの大声援の中、いよいよ両チームが登場。ジュビロの選手たちの表情には、気合いとリラックスの両方が感じられ、3度目チャンピオンシップという経験が生きている様子。キックオフ。エスパルスはいきなり右サイドから厚い攻撃を仕掛け、先制パンチ。しかし、これに冷静に対応したジュビロは、高い位置からプレスをかけ、逆に主導権を握る。7分/ジュビロが最初のCK→DFにクリアされるが、三浦がこぼれ球を2次攻撃→ファウルで相手ボール。攻撃に入ったときは、エスパルスも確実なつなぎと厚い攻撃を見せ、スリリングな展開。10分/エスパルスCK→DFが身体を張ってカット。11分/中山が左サイドを突破しセンタリング→カットされるが、こぼれを人って奥がシュート→DFに当たる。 |
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25分まで
13分/左からアレックスにセンタリングを上げられ、相手にボールがこぼれて大ピンチ→からくも前田がクリア。ジュビロ応援席から悲鳴。全体的にはジュビロが押し気味だが、ときおり見せるエスパルスの両サイドからの攻撃はやはり恐い。15分過ぎからエスパルスペース。右サイドで組み立てて、左のアレックスに大きく展開するチャンスをうかがっている。21分/山西のロングスローから中山がバックヘッドでゴール前にそらすが、つめる選手がいない。22分/中盤でのボール奪取からダイレクトパスの連続で右サイドに中山が飛び出し、フォローした安藤がセンタリング。ファーの奥がフリーでヘッドするが、ボールが弱くGKがキャッチ。ゴールは入らなかったが素晴らしい攻撃。25分/またしても右を中山が突破し、センタリング→奥にボールが渡るが、DFにシュートを阻まれる。 |
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【得点】
30分/右サイドの安藤からのセンタリングから中山がGKのダイビングし、見事なヘッドをゴールに突き刺す。値千金の先制点!! |
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【失点】
34分/左サイドのドリブルから中央フリーの沢登→左足できれいにカーブをかけてミドルシュートを決められる。 |
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45分まで
38分/サントスに鋭いミドルシュートをうたれるが、今度は尾崎ががっちりキャッチ。両チームお互いに激しく相手ゴール前に迫るスリリングな攻防が続く。しかし、決定的なチャンスの数ではややエスパルスが多い。40分/右サイドをまたも市川に破られセンタリング→久保山がフリーで合わせるが、シュートミスに救われる。42分/左サイドで中山が基点となり、山西がセンタリング→ファーの藤田に惜しくも合わず。44分/ジュビロが右から波状攻撃。その後逆にエスパルスが右から攻め入り、市川のセンタリングをFWが胸でトラップするが、尾崎が出足良くキャッチ。その直後に主審の長いの笛。1-1で前半は終了。 |
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後半に向けて
がっぷり四つでどちらが勝手もおかしくない展開だが、中山隊長が今年最高の調子と言えるほど素晴らしいプレーを見せているのが、頼もしい。また、前半はつぶれ役に徹した高原の後半の爆発にも期待したい。また、市川にチャンスを作られる場面が非常に多かったので、その対策をハーフタイムにできるかどうかに注目。 |
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ハーフタイムのコメント/桑原監督
後半、スタートから気合いを入れていこう。速攻を生かそう。サイドからのクロスボールは早めに入れていけ。 |
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ハーフタイムのコメント/ペリマン監督
ゲームの1/4が終わったが、我々の形でプレーできているので悪くない。もっと自信を持って、さらにハードに“ワーク”すること。バックラインは下がりすぎないこと。 |
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60分まで
16:03/後半のキックオフ。両チーム交代はなしで、立ち上がりから激しいボールの奪い合い。2分/相手を後ろから倒して奥にイエローカード。3分/奥が中盤でのドリブルからミドルシュート→バーの上。後半7分/藤田の右FK→ファーの鈴木が折り返すが、GK。8分/カウンターからアレックスがドリブルで持ち込み久保山→ペナルティエリア内で山西がスライディングで執念のカット。12分/ペナルティエリア外左からエスパルスのFK→沢登が右足で直接狙い、わずかにゴール左。 |
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75分まで
両者一歩も引かない緊迫した展開。この後、両監督が選手交代をどのように生かすか注目される。【交代】20分/高原→福西。福西は1.5列目のポジションに入る。やや膠着状態になり、ジュビロがボールを後ろで回して、エスパルスがそれを冷静に受けて立つ場面が目立つ。ジュビロも相手の攻撃の芽を早い段階で摘んでいる。24分/右45度から市川がミドルシュート→大きくバーの上。26分/福西の頭で流したボールから中山が飛び出す。GKにキャッチされるが、その前にDFが触りバックパスの判定。ペナルティエリア内でジュビロ関節FK→一度預けて前田が強烈なシュートを打つが壁に当たる→そのこぼれ安藤が狙うが大きくバーの上。29分/後ろからのフィードを中山が頭で流し、飛び出した福西が受けてシュート→華麗なプレーだったが、惜しくもゴール右。残念! |
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90分まで
32分/伊東がミドルシュート→エスパルスの久しぶりのシュートだが、尾崎が余裕のキャッチ。33分/アレックスが右サイドを破り、混戦となってヒヤリとするが、なんとかクリア。37分/左サイドからエスパルスFK→DFがニアでクリア。ジュビロがボールを支配し、じっくり攻める。42分/左サイド素早いリスタートから奥がセンタリング→ニアで福西がヘッドするが、GK好セーブ。惜しい!! その後両者大きなチャンスのないまま90分がタイムアップ。延長戦へ突入。ジュビロはまったく走り負けていないので、あとは集中力と勝利への執着心の問題だ! |
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97分まで
円陣を組んで気合いを入れた後、延長戦のキックオフ。1分/中央のワンツーから福西が抜け出すが、浮いたボールの処理にハンドの判定。3分/右サイド中山→安藤でセンタリング→福西が中央で競るが、惜しくもDFに弾かれる。4分/中山がDFに倒されアピールするが、逆にダイブをとられてイエローカード。場内大ブーイング。6分/右CKの2次攻撃から奥がヘッド→ボールは無情にもゴール右。7分/カウンター攻撃から飛び出した福西のセンタリングに相手DFがハンド→決定的なPK。 |
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【Vゴール】
これを中山が豪快にゴール左に蹴り込み、歓喜のVゴール。キャプテン中山の大活躍と全員一丸の頑張り、そして的確な桑原采配で手強いエスパルスを退け、第2戦に向けて大きなアドバンテージを得た。 |
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アジウソンあいさつ
試合終了後、帰国が決まったアジウソンがホームのサポーターに最後のあいさつ。サポーターから温かい大アジウソン・コールを受けた。 |
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桑原監督
どちらが勝ってもおかしくない試合だったが、ホームで勝てたことはすごく意義がある。いい形で第2戦にいけると思う。中盤勝負だと思っていたので、ボランチでしっかりと守るために福西をサブにした。アレックスはほぼ狙い通りに抑えることができた。中山は大舞台に強い男だし、彼が点を取ることでチームに勢いが出る。 |
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ペリマン監督
非常に競争心があり、情熱的でテンポの良い、期待通りのゲームだった。外から相手のDFにダメージを与えられることがわかったし、今日得た教訓をもとに1週間練習する。今日は負けたが落ち込んでいないし、次のゲームは90分で勝てる。 |
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中山雅史
少しでもスキを見せたらやられる相手で、時間が経つのが速く感じた。(大舞台での強さは)周りのサポートがいいから。でも、これで終わりじゃない。次はオレンジに染まった中で戦わなければいけないので、自分たちを見失わないようにプレイしたい。 |
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服部年宏
前半ちょっとバタバタしすぎたので、後半は冷静にやるように声をかけ合った。ラインもまあまあ上げられて、バランスの良い守りができたと思う。 |
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藤田俊哉
アレックスは安藤と声をかけ合って2人でケアし、抜かれない間合いを保った。どんなにいい技術があっても走り負けたらダメだから、その意味では今日は良かった。でも、あと1試合あるし、自分たちが有利になったという気持ちはない。 |
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鈴木秀人
今日は、前がアレックスに抜かれた場合をケアして右サイドに入った。サイドからボールを入れられても、しっかりマークしていれば空中戦では負けないという意識で守った。中盤の運動量でも負けてなかったし、ラインも無理して上げたけど、うまくいった。 |
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山西尊裕
前半は、向こうが市川を使って攻めてくることが少し多かったけど、斉藤の縦パスとワンツーに気をつけた。何本かセンタリングを上げられたけど、中をしっかり守っていれば大丈夫と言われていたので、点を取られなくて良かった。 |
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