試合前の状況
ジュビロがアジア・スーパーカップ(アウェー戦)に出場するために日程を早めて行なわれる第12節。秋空の下のジュビロスタジアムは、気温、湿度とも選手たちにとってはとても動きやすいコンディションで、アップをするイレブンの表情も、非常に引き締まっている。ゴール裏では「走れ、闘え、気持ちで勝て」という大横断幕と、力強い声援が選手たちを鼓舞している。 |
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みどころ
出場停止のアジウソンの代わりに前田が入り、ケガの奥の代わりに服部が中盤に入って、左SBに山西が入る模様。また、昨日のオリンピック最終予選に出場した高原のところには西が入って、それ以外は前節と同じ。再開後の2試合とも、攻撃力・決定力の不足が指摘されているので、今日はその点がどれだけ改善されているかが、最大のみどころだ。また丸刈りにして、いつも以上に気合いが入ったように見える男・前田のガッツや、かなりチームになじんできた安藤の攻撃参加などにも期待したい。スタンドからの「ゴン・ゴール」コールにも、いつも以上に力が入っている。 |
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キックオフ
今日はキャプテンマークが中山隊長の腕に戻り、キックオフ前の円陣でも誰彼となく大きな声が飛び交っていた。気合い十分でキックオフ。今日はボランチに服部と三浦が入り、福西が左の2列目に上がっている。1トップで中盤を厚くするサンフレッチェが高い位置からプレッシャーをかけてボールを奪い、鋭い速攻をしかける。 |
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【失点】
10分/ゴール正面遠い位置からのFKで、キーパー正面のボールから尾崎の直前で上村に飛び込まれ、ヘッドで流し込まれる。 |
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【失点】
20分/ロングスローのこぼれ球から服部にミドルシュートを決められる。 |
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35分まで
失点は、どちらも非常にあっけない取られ方。ジュビロ・イレブンの闘志も空回りした状態だ。21分/縦へのボールから中山が強引にペナルティエリアに切れ込む。ゴール前で止められるが、気合いの入ったプレー。29分/ゴール前やや右のいい位置からFK→服部が蹴るが、ボールはわずかにバーの上。ジュビロは必死に反撃に出るが、攻撃に厚みが少し足りない。 |
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【得点】
39分/藤田の右FKからファーサイドの鈴木がどんぴしゃりのヘッドをゴールに突き刺す。 |
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【得点】
40分/福西のスルーパスから中山が裏に飛び出し振り向きざまワンタッチで左足シュート→ボールは豪快にネットを揺らした。リーグ戦では約半年ぶりのゴン・ゴールでついに同点。スタジアムが大いに盛り上がる。 |
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45分まで
ジュビロ・イレブンの動きが活発になり、思い切った飛び出しやランニングが数多く見られるようになってきた。サンフレッチェは防戦に追われる。ロスタイム/安藤→藤田で右サイドを破り、折り返しを福西がシュート→決定的な場面だったがシュートミス。勢いが一気にジュビロに傾いたまま前半終了。2点リードされた後は罵声も飛び交っていたスタンドだが、同点に追いついてからは一気に盛り上がって大声援がピッチを包んだ。 |
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ハーフタイムのコメント/桑原監督
ルーズボールを身体を張って奪いたい。ショートパス、ロングパスをうまく使い分けて攻撃しよう。 |
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ハーフタイムのコメント/トムソン監督
30分までは良かった。それは前からプレッシャーをかけ続けたから。もう一度、前半の立ち上がりのプレーに戻ろう。そうすれば必ず勝てるはずだ。 |
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55分まで
後半も、さらに気合いの入った円陣の後キックオフ。立ち上がりからハートのあるプレーで全開のジュビロに対して、サンフレッチェも一歩も引かず、激しい攻防が展開される。後半7分/後ろからのボールを西がうまく胸でトラップするがシュートまでいかず。 |
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【得点】
15分/カウンターから安藤が上げたクロスで、DFが処理し損なったところを西が拾い、冷静に決めてついにリード。 |
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【得点】
後半18分/中山が競り合って飛び出し、GKとぶつかってこぼれたボールを福西がゲット。 |
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80分まで
あっという間に2点をリードし、さらに盛り上がるスタジアムとイレブン。その後も浮き足立つサンフレッチェ守備陣に対して、怒濤の攻めをしかけ、多くのチャンスを作っている。24分/右サイドから中山→安藤で良い形を作り、福西がシュートするが、惜しくもオフサイド。サンフレッチェは攻め崩せずに遠めからシュートを打つのが精一杯。37分/中山が相手と競り合いながら、強引なオーバーヘッドキック→ボールは大きく外れるが、スタンドのファンを喜ばせた。 |
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【得点】
後半38分/前で奪ったボールから福西にフリーでつながり、冷静にGKの脇を抜く。 |
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90分まで
39分/藤本に抜け出されたが、尾崎が1対1をしっかり止める。40分/川口が左サイドに飛び出し、フリーで飛び込んだ福西に折り返す→福西ついにハットトリックかと思ったが、わずかに届かず。43分/中山がゴール右からフリーで狙いすましたシュートするが、惜しくも外れ、それに福西が飛び込むが、これもわずかに届かず。ジュビロは最後まで攻撃の手を緩めず、サンフレッチェを圧倒したまま試合終了。選手たちは連敗中とは人が変わったようにスピーディーで積極的な動きを取り戻し、じつに7試合ぶりの勝利に選手・スタンドとも喜びを全身で表わした。 |
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桑原監督
久しぶりに全員がよく動いて、良いゲームをしてくれた。スーパーカップの第2戦に向けて良い準備と勢いを持って入っていける。新戦力が入ってポジションごとの競争意識が激しくなり、いろいろな意味で良いゲームであった。 |
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トムソン監督
前半35分までは良いゲームをしてくれた。後半の3点はDFのつまらないミスで取られてしまった。2点差をつけられたら、ジュビロは強いチームなのでボールをキープされ、追いつくことはむずかしかった。 |
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中山雅史
(得点はむずかしいシュートで)入ってビックリしたけど、良かったです。それで前半に追いつけたのが大きかった。それがなければ、相手も後半で立て直してきたと思うし。(チーム全体の動きが良くなったのは)心理的なものが大きいでしょうね。点が取れないとやっぱり身体も重くなりますから、少しきっかけをつかめて本当に良かったです。 |
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福西崇史
中山さんがよく動いてくれたので、パスも出しやすかった。3点目も取りたかったけど、残念。後半は、みんな動きが良くて、寄せが速かったので、前でボールを取ることができた。 |
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服部年宏
結果よりも、久しぶりに楽しいサッカーができたのが良かった。すべてがOKとまではいかないけど、そこそこ良い感じをつかめたと思う。2点目を取られたときは泣きそうだったけど、みんなそこから燃えたと思う。それを最初からやれとみんな言いたいでしょうし、僕らもわかっているけど、そこがサッカーのむずかしさでもあると思う。 |
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鈴木秀人
2点先に取られたときは、今日は帰れないと思ったけど、セットプレーでトシヤさんが良いボールを蹴ってくれたので、うまく点が取れました。それから2点目を中山さんが取ったことでチームに勢いがついたと思います。 |
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藤田俊哉
逆転できたことよりも、2点取られたことが大きい。もっと積極的に裏をとるサッカーをやらないといけないと思っていたけど、今日は少しずつ動きに勢いが出て、相手の裏をとることができた。こういう勢いを持続させて、次へつなげていきたい。 |
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西 紀寛
自分としては全然ダメで、周りとのコンビを自分のところでつぶしてしまってました。だけど2点追いついてからは、完全に流れが変わって負ける気がしなかった。ピッチの上にいて、強かった頃に戻った気がしました。 |
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