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2024年6月26日 vs 東京ヴェルディ

19:00 ヤマハ

インタビュー他

横内 昭展

監督

──試合の総括

ここ数試合勝利が無くて、それでもたくさんのサポーターがホーム・アウェイ関係無く声援を届けてくれて、今日は勝利を共有できたことを本当に嬉しく思います。本当にありがとうございました。

試合は連戦であまり時間が無くて、ピッチ上でやれたことは少なかったですが、ミーティングだけでなく選手間で、みんながこのゲームをどう戦うかを共有してくれたと思っています。それを前半の開始から試合が終わるまで、1試合通してやれたと思っています。前半、チャンスはありましたけど0-0で、後半先に点を取ることができました。その後しっかり次の2点目というところを、ここ数試合言ってきましたけれども、選手は貪欲にそこに向かって、もちろん失点しないことが大前提ですが、その両方を実行してくれました。そして最後、ここまで苦しんでいたと思いますけど、(古川)陽介がダメ押しの得点を取ってくれて、本当に良かったと思っています。最後までやり切った選手たちを誇りに思っています。

──2列目で金子選手とブルーノ選手を起用しましたが、その意図と評価を

もちろん連戦という部分も一つあります。ただ、ここまで彼ら2人は良いパフォーマンスをトレーニングで見せていたので、必ずどこかで力が必要になると思っていました。このタイミングがベストだと思って、今日はその2人を起用しました。松本昌也に関しては前節の打撲の影響も少しあったので、完全ではないというところと、自称夏男と言ってる金子翔太が運動量も含め、しっかりやり切ってくれるというところをトレーニングで見せてくれていたので、そういう起用になりました。

──リカルド選手の状況は?

前節前半で交代したのですが、少し腿の張りがあって、そんなに長く離脱することはないと思いますし、深刻な怪我ではないと聞いていますので、また明日のトレーニングでしっかりチェックしたいと思っています。

──ボールを動かすというところが今日は非常に良かったと感じていますが、監督の評価はいかがですか?

ここ数試合、ボールを動かしたかったのですが、なかなか動かせなかったというところがありました。ただ、自分たちがどうしたいのかは忘れないということは選手たちとも話ましたし、勇気を持ってやってくれたと思っています。前半、ボールを動かして良い形で展開したシーンもあったのですが、もっとやれたと僕自身は思っていて、それはハーフタイムにも選手に「まだやれるぞ」と伝えました。それをすごく実行してくれましたし、1点目はまさにそういうところから生まれたゴールだったので、こういうシーンをもっと増やしていきたいなと思います。

──古川選手がダメ押しですごいゴールを決めました。どんなところが良かった点でしょうか?

前半戦、彼はずっとベンチにはいて、ここまでは交代での出場が多かったですが、プレー時間があった中でなかなか自分の思う結果を出せず、ここ2試合はベンチからも外れ、本当に悔しい思いをしていたと思います。ただ、そこで腐ること無くトレーニングから違いを見せていたので、今回ベンチスタートになりましたが、何かやってくれるんじゃないかという予感はしていました。ぶっち切って、個の力で奪ったゴールで、彼にとってもチームにとっても大きな1点だったと思っています。

──0-0で迎えた後半、またしっかりギアを入れられた要因、ハーフタイムの雰囲気などはいかがですか?

ジャメ(ジャーメイン 良)がPKを失敗して、ジャメ自身すごくショックもあったと思いますが、彼に対して色々な選手が声を掛けていましたし、そのプレーのあとも変わらず選手たちはやり切ってくれていたと思います。ハーフタイムに戻ってきても、後半絶対にいけるぞという雰囲気が選手の中にあって。僕は少し遅れてロッカールームに入るのですが、かなり選手間で話をしていました。これまでで一番多かったかなというくらい選手間で話をしてて、その光景を見たときに、これは後半いけるなと思いましたし、本当にその通りにパワーを出してくれたと思っています。

──2巡目の最初から東京ヴェルディという切磋琢磨している相手との試合でした。その辺りはどうとらえていますか?

前回アウェイでヴェルディに負けたのが、本当に悔しかった。昨年はJ2で切磋琢磨しながらお互い上がってきたチームで、昨年も勝つことができず、前回アウェイでもそこに手が届かなかった、勝点を持って帰れなかったと、本当に悔しい思いをしました。それは僕だけじゃなくて選手もそう思っていましたし、その悔しさを忘れずに今日選手はピッチで晴らすと言うか、表現してくれたかなと。1対1のバトルでも本当に意地と意地がぶつかり合うような、もちろんお互いファウルになることもありましたが、良いゲームだったと思っています。

──前節のセレッソ大阪戦の後、90分を戦い抜くタフさを課題に挙げていました。そういう意味では、ジョゼ選手や金子選手、古川選手のような選手が活躍する今日のような試合を見せられたことはどう感じていますか?

今上がった名前の選手たちは、前半戦はなかなか出場機会が少なくて、(金子)翔太にしてもブルーノにしてもリーグ戦は初先発だったと思いますが、本当にチームの力になりたいと。それは途中から出てもスタメンで出ても、その思いは変わりないと思っています。その思いでトレーニングもしてくれていて、いつスタメンで自分が名前を呼ばれても行ける準備をずっと続けてきてくれた選手たちです。本当に今日はそれをピッチで表現できて形になって、結果に繋がって終われたことは、本人たちも嬉しいと思いますし、チームとしてもそれが本当に力になるし、また競争が生まれます。ここから成長する上ですごく重要なことかなと僕自身思っています。今日はそういう選手たちがよくやってくれたなと思っています。

森岡 陸

森岡 陸

選手

──前節の試合後は悔しそうな表情が印象的でしたが、今日は嬉しい完封勝利です

前回の試合は僕のサッカー人生の中で最悪な試合だったので、本当に悔しくて、正直2日間くらい引きずっていました。次スタメンで出るのは難しいかなと思っていたのですが、横さん(横内監督)が信じて使ってくれて、今日こうやって勝ててホッとしています。

──鈴木海音選手とのコンビで良いプレーがたくさん出ていました

海音とJリーグでスタメンとして出れたのは初めてなので、本当に感慨深いものがありました。前に僕が落ち込んでいたときに、海音が“次も俺と陸で出るんだ”みたいな感じで声を掛けてくれて、それも励みになりました。仲間に支えられているというのが分かって嬉しかったですし、それがこの試合に出たんじゃないのかなと思っています。

──完封勝利の要因は?

試合前に、監督から相手の木村選手が要注意と言われていました。前回2-3で負けていて、今日は絶対に抑えてやるという気持ちでやって、何とか抑えることができました。

──球際でよく戦っていたと思います

前の試合で足首を捻って腫れてしまって、なんとかプレーはできたのですが、結構ギリギリの中でやっていて、でもなんとか勝利を掴めたので、嬉しいというより今日はホッとしたという気持ちが強いです。

上原 力也

上原 力也

選手

──3-0の勝利ですが、チームとして良かった点は?

立ち上がりから集中していましたし、ここ数試合無かった追加点を取れたことは非常に大きかったと思います。

──1点目を取ったあとの試合運びはどのように意識していましたか?

後半の早い時間帯に先制できたので、やり方は変えないでいこうと話していましたし、ここ2試合先制してから受けてしまう時間が長かったので、しっかりボールを持ちつつゲームを運ぶことを意識しました。

──ブルーノ選手への素晴らしい1タッチパスで1点目を演出しました

(鈴木)海音が良いところを見てくれていましたし、ブルーノが走っていたことも見えていたので、ジャメ君(ジャーメイン 良)がヘディングで押し込めていればより素晴らしい形だったと思いますが、ボックスの中にも何人か入れていたので良い形でした。

──2点目はCKからペイショット選手のゴールをアシストしました

用意していた形でしたし、ペイショットが上手く入ってくれたので、良いボールを蹴ることができて良かったなと思います。

──前節もCKで良いボールを蹴っていましたが、良くなっている感触は?

そうですね。回数を蹴れていることが大きいですし、回数を重ねていることでフィーリングが上がってきていると思うので、これを続けていきたいと思います。

──監督が「ハーフタイムでの選手間の話し合いが多かった」と?

昨年からヴェルディさんには1勝もできていないですし、前半戦で悔しい負け方をしていたので選手も気合が入っていました。攻撃のところで特に選手間でよく話せたので、後半改善したシーンをいくつか見せることができたと思います。

──後半はビルドアップでしっかり繋いで多くのチャンスを作りました

前半も悪くはなかったと思いますし、多少行き詰まってしまうシーンもありましたけど、そういうところを修正して、フリーな選手がいたら運ぶことなど、(森岡)陸と海音が勇気を持ってやってくれたので、次に繋がる戦いができたと思います。

鈴木 海音

鈴木 海音

選手

──クリーンシートでしたが、個人としてはどこが良かったと感じていますか?

前半から森岡選手と2人で相手のFWに対してどちらかがチャレンジしてどちらかがカバーするというのを、常にコミュニケーションを取りながらリスク管理ができていましたし、潰せるシーンも多くて、相手に決定機を作られるシーンが少なかったのが良かったところかなと思います。

──先制しながら追い付かれる試合が続いていた中、今日は勝ち切りました

最近悔しい引き分けをチームとして経験して、自分自身としても最後締められるはずのところを最後の最後でやられて、不甲斐無さを感じていました。そういったところで今日は絶対に0で抑えたいとチーム全体で話していたし、1-0になってもあまり自陣に引きこもり過ぎること無く、前にプレッシャーをかけて、コンパクトな守備を保てたのが今日は良かったなと思います。

──1点目に繋がるパスなど、攻撃面でも貢献しました

相手のあそこのスペースが空いているということはスカウティングも出ていましたし、ペイショット選手もジャーメイン選手も積極的にそこを狙ってくれていました。スピードもパワーもある選手たちなので、信用してあそこにパスを送っていました。

──ここ数試合は少しビルドアップのミスがありましたが、引きずること無く今日は冷静にプレーしていたのでは?

もちろん場所によっては絶対にやってはいけないプレーというのがありますけど、あそこくらいのポジションならチャレンジして良いと思っていました。自分たちが怖がってプレーしていたらチームもボールを持てなくなってしまうと思うし、もちろん絶対にもう引っ掛けないことは当たり前ですけど、それでもチャレンジし続けることを練習から意識していました。チームとしても今日はゴールキックからリスタートを早くしようという意識が強かったので、そこはチャレンジできて良かったのかなと思います。

ブルーノ ジョゼ

ブルーノ ジョゼ

選手

──リーグ戦初先発で勝利に貢献しました

ありがとうございます。試合に絡めて嬉しいですし、勝利できて本当に良かったです。ここ最近ホームで勝てていなかったので、サポーターの目の前で勝利をするということが本当に大事だったと思います。すごく良い雰囲気でやれたのが良かったです。守備も良かったですし、攻撃も3点取れて本当に良い試合でした。

──1点目に繋がったクロスはジャーメイン選手を狙っていたのですか?

相手を分析して、ディフェンスラインの背後にスペースがあることは試合に入る前からみんな分かっていましたし、そこを狙っていこうという考えはチームとしてありました。背後への動きは自分の特徴ですし、試合前にも味方と話して「自分は良い状況だったら絶対に走るからボールを出して欲しい」という話もしていました。実際にレオ(ゴメス)からボールをもらってPKを獲得できましたし、他にも良いシーンを作れていたと思うので、チームとして狙いがあって、自分の特徴を活かして良い形を作れたと思います。

──そのPKを獲得したシーンは中央にポジションを取っていましたが、そこも狙い通りでしたか?

そうですね。レオがボールを持ったときに相手のCBがFW2人に引っ張られていたので、あそこは絶対に空くという予測で動き出して、良いボールが来ました。

──リーグ戦初先発の緊張はありましたか?

試合前まではその気持ちがありましたが、ピッチに入ってからはそれが消えてサッカーを楽しもうという気持ちになりました。緊張していない訳ではありませんが、ピッチではそれを出さずに、自然に楽しむことができました。

──次の試合に向けて

時間はありませんが、この短い期間にしっかり休んで、できるだけ相手を分析して、良い準備をして試合に臨みたいと思います。難しい試合になるのは分かっていますし、その中で自分たちのプランを持って試合に臨めば良い結果は得られると思うので、しっかり準備していきたいと思います。

古川 陽介

古川 陽介

選手

──まずは今季初ゴールのシーンを振り返って

チームがリードしていたので、そのリードを上手く使いながら時間を自分が作ろうという中で、スペースがあったのでいきました。自分の良いところがすごく出たと思いますが、チームのゴールだと思います。自分があそこで貢献できたことは良かったです。

──上原選手がマイボールにして繋いでくれたところからドリブルが始まりました

チームが身体を張って守ってくれていて、(上原)力也君を含めて繋いでくれたボールだったので、まずは後ろに下げるよりも前で上手くスペースを使って、味方の上がりを待つという考えでした。その中で相手が3人くらい寄ってきたときに、ポケットというか相手が出てきたところが空くシーンが何度かあったので、自分のタイミングと感覚で切り込んで行って、シュートのところもここまで点を取れていなかったですけど、ここ2試合メンバーを外れて考え直したときに、トレーニングから見直して、シュートの感覚も良くなっていたところだったので、それが結果という形で出たので良かったと思います。

──右足に持ち替えたときにはシュートコースは見えていましたか?

そうですね。ズラして打つというのが今まで当たっていなかったですし、芯をとらえることが無かったのですが、それが最近とらえられるようになってきて、そこの自信はあったので、コースは見えましたね。

──このゴールの自己評価は?

低く見積もって、2万点くらいですね(笑)。

──古川選手の真骨頂が出ましたね

そうですね。ただ19試合やってまだ1得点なので全然満足していないですし、今年が勝負だと思ってやっているので、まだまだここからだと思います。

──チームメイトから手荒い祝福がありました

嬉しかったですね。ファン・サポーターの方も含めて、待望のという感じだったので。ゴールというのはずっと課題ですし、逆にそこさえ付いてくればというのが自分の中でもあったので、まずはその一歩というか、乗り越えられた部分かと思います。

──横内監督が今季一番くらいのガッツポーズをしていました

横さんも我慢して使ってくれて、天皇杯もそうですけど、上手く結果を出せなくて苦しみましたし、メンバー外になったりして、ここで変わらないと今年は終わるなと思っていました。ブルーノも結果を出しましたし、(金子)翔太君もああやって左で出て、自分があそこでスタートから出られない悔しさもありましたし、それを上手くチームに還元できたと思います。

マテウス ペイショット

マテウス ペイショット

選手

──3-0という勝利で、ペイショット選手にもゴールが生まれました。まずは今日の試合とゴールを振り返って

まず、今日の試合に関して3-0という結果の前に、自分たちが練習で準備してきたことを試合でしっかり見せることができましたし、本当に自分たちにとって大きな勝利で、誰が見ても今日グラウンドで手を抜いている選手はいなかったと思います。全力を尽くして戦った結果、本当に最高の勝利になりました。自分のゴールに関して言えば、今週のセットプレーのトレーニングで狙っていた通りの形で決めることができました。本当に嬉しいですし、何より今自分たちが順位表で言えば下の方にいるのですが、降格圏のところから他の試合の結果次第で離れることができる本当に重要な勝利だったので嬉しいです。

──アウェイで対戦した際も東京ヴェルディからゴールを決めました。今日もそうした予感はありましたか?

前回のヴェルディ戦は自分がゴールを決めた中で、ああいった結果に終わってしまいました。ここ数試合、できる限りの準備をしてそれでもなかなか勝利に繋がらないというところで、すごく歯痒い気持ちでいたのですが、今日は準備したものを改めて試合で見せることができて、しかも勝利を手にすることができて3ポイントを積んで、自分のゴールもあったというところで、本当に最高の結果になったと思います。この上無く幸せですし、またこういった試合を続けていきたいと思っています。

──最高のコンビでありライバルでもあるジャーメイン選手が怪我から復帰した中で、ペイショット選手自身も結果を出したいという思いがあったのでは?

本当にジャメが戻ってきてくれて前線に起点がもう一つ増えるということで、チームにとっても内容や結果の前に本当に重要なピースが戻ってきてくれたと思っています。ジャメに対して自分がライバルとして意識を持ってやっているというよりは、お互いがこのチームを良くするためにどういう働きができるかということが大事だと思っているので、何よりチーム内で得点王ですし、リーグ全体でも得点王争いをしている選手だと思います。本当に良い選手の前に良い人間で、グラウンドの中で全力を尽くしてくれる選手なので、チームにとっても助かりますし、ジャメに負けないように自分ももっとやっていかないといけないなと改めて思っています。今ライバルという言葉がありましたが、チーム内の競争というのは結果を出すためには大事なことです。そして、誰のゴールかが重要なのではなくて、チームが勝つということが大事だと思うので、これからもこの良い競争をチーム内で続けて結果を出していきたいなと思います。

──次節以降の試合に向けて

常々取材がある度に、J1の試合で簡単な試合は一つも無いと話しているのですが、今日も難しい試合でしたし、次節の浦和との対戦も難しい試合になると思っています。後半戦、良いスタートが切れました。前半戦の1試合目は神戸に負けてしまうという結果に終わってしまったのですが、後半戦は試合が始まる前にロッカールームでみんなに「ここからまた新しい章が始まる」と伝えました。「その1歩目が重要なんだ」とそう言う言葉を口にしました。その通り、3-0という結果で一歩を踏み出すことができたので、前半戦より勝点が積める良い後半戦になるように、これからも準備をして戦っていきたいと思います。

東京ヴェルディ 城福 浩監督

まずは平日にここまで来てくれたサポーターに気持ちのある試合を見せられなくて申し訳ないなと思います。自分たちは19節終わって半分のところで、もう半分というのは1試合1試合重みが増していくような状況になる中で、後半のスタートがこのような軽い試合をしてしまえば、我々は恐らく残留争いに巻き込まれることは間違いないです。相手にとって、奪ったらカウンターをしやすいような中途半端なポゼッションと、局面の戦いで簡単に負けて、最後の走り合いで簡単に負けて、誰かが身体を張ってくれるだろうと人任せの、このサッカーは今日限りにしたいと思います。