試合速報

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  • 東京V

2018年12月8日 vs 東京ヴェルディ

14:00 ヤマハスタジアム

インタビュー他

名波 浩

監督

──試合の総括

今日のゲームに関してですが、この1週間、(ヴェルディの)プレーオフの2試合、もちろんリーグ戦の試合も見て、3バック4バックを併用していたヴェルディに対して、それからアンダー世代が代表に引っ張られた後の選手の入れ替え、戦術のマイナーチェンジの中で、我々がどう戦うべきかと計算した結果、確固たる答えが出なかったのは事実だなと。それは相手監督が、今日のハーフタイム後の1発目の交代のように、相手を見ながら変えてきたりするので何が正解か分からない中で、練習を通してどういう守備がはまるのかを考えてきました。その中で、(高橋)祥平が左サイドの4バックが良いのではということで、4バックを確定させました。完全非公開だったので、少しびっくりした方もいるかもしれませんが、川又が週明けから足の調子があまり良くなくて、また(中村)俊輔が水曜日に思い切り捻挫しまして、この辺りがメンバーを少しいじらなくてはいけなかった理由のひとつ。もうひとつは、大きな声で言えませんが、僕が怪我をして昨日まで松葉杖だったので、その辺も踏まえて非公開でやらせてもらいました。

ゲームに関しては、高い位置からボールを奪いに行くことを守備の基本としながら戦ったのですが、それが100パーセントはまっている訳では無くて、J2のリーグ戦でも他のクラブがカウンターを食らっているシーンもあったので、そこは最大限ケアしながらやったつもりです。前半2、3回それでうまく繋がれてしまったり、後半も1回危険なシーンがあったりしましたけど、それ以外は前の選手の連動、それから(上原)力也、(田口)泰士のボランチの選手のパスコース限定も含めて、非常に良い守備が構築出来たのではと思っています。危険なシーンは、前半の相手が斜めに、ダイアゴナルに動き出す背後への動き出しで、(大井)健太郎や(大南)拓磨の後ろを2回くらい突かれたのですが、あのシーンが一番危険だったと思いますし、一人目のアクションで受け渡しとスペースを消す守備の連動が、最終ラインが少し甘かったので、あの辺りで3バック(に変更)も少し頭をよぎりました。ただ、PKで先制したことによって、自分たちでゲームを動かす必要も無くなったので、そこはセンターバックの2人を信用しながら後半に臨むことが出来ました。

後半は前半同様前から行けていたと思うのですが、疲労とともに、特に(大久保)嘉人とボランチの間が空いてきたり、アダ(アダイウトン)が前残りになっている時間が増えてきて、意図的ではない守備の連動性の欠如が少し出てきてしまったとは思います。ですが、そこからスパーンとくさびが入って、シンプルに外とか、ワンツーコンビネーションで一気に突破してくるシーンがJ1では多いのですが、特にヴェルディはもう一回ボランチで時間を作ったり、横パスが2、3本入ってきたりして、十分に戻る時間が出来ていたので、そこも大きく破綻しなかった要因だったなと。あとはこのクラブに長く携わっている方は分かると思いますが、レアンドロ選手は我々の大きな天敵なので、彼に仕事をさせないことが重要だったと思います。1本危険なシーンがありましたけど、それ以外はよく抑えてくれたのではないかと思っています。

2点目のフリーキックが入ってからは、3点取られない限りという条件だったので、随分落ち着いて見られたと思います。最後は(交代選手として)先にムサエフを呼んだのですが、俊輔を入れてスタジアムの雰囲気をもう1回サックスブルーに持ってこようと思いまして。彼はボールを1回しか触れませんでしたけど、自分の役割をよく理解してくれて。おそらく1回も触れなくてもふてくされることはないでしょうし、あの足の状況の中で、チームのために出来ることをやってくれたのではないかなというように思っています。

今シーズンを振り返った中で、「(勝点)41というポイントで残留争いをしなくてはいけなかったのは不運でしたね」というのは、色々なところで聞きましたけど、僕はそうは思っていなくて、夏場の4戦連続の引き分けの時に、「残留争いしてしまうぞ」といった中では、16位というものを見ながらやらなくてはいけない状況だったと思いますし、最悪のことを想定してメンバー構成なり戦術を組んできたつもりです。「あの試合で勝っておけば」とか「あの試合で引き分けておけば」という観点で見る方もいるかもしれませんが、34試合の中では組織としてバイオリズムがあって、上がっている状況でも勝点を積み上げられない、下がっている状況でもしぶとく勝点を積み上げられることはあると思うので、このエクストラの1試合というのは、十分に想定内ではありました。ただ、チームとして必要のない1試合だったのは確かですし、ましてあの最終節の、残り30秒までは我々が16位ではなくて、もう少し上の順位にいたはずなのに、そこから突き落とされたあの感覚というものは、恐らく個人的にも、それから選手たちも一生忘れないと思います。2014年に監督に就任し、プレーオフで山形のGKにヘディングシュートを決められた時の、何十倍、何百倍と引きずった日曜日、月曜日でした。それを踏まえると、選手たちは今シーズン連敗してもチーム状況が悪くても、下を向かず常に明るくやってくれたと思いますし、今週の切り替えというものも素晴らしかったと思います。

昨日の夕方5時、ナイターも無い真っ暗な状況の中でボールを蹴っているベテラン選手、今日8時半から、18人に入れなかった選手たちが自発的にボールを蹴っている姿を見て、『こんなチームが負けるわけがない』と確信していました。

大井 健太郎

大井 健太郎

選手

──この1週間、どんな思いで準備を進めてきましたか?

昨年までだとJ2に落ちていた順位の中で、こういう今日のようなゲームをさせてもらったというか、ポジティブに捉えてこの試合に臨めたことが、良い勝ち方に繋がったのではないかなと思っています。

──試合を振り返って

危ない場面を作ってしまったら何が起こるか分からない中で、危ない場面になる前にみんなが集中して守ることが出来ていましたし、これは前線の選手のおかげでもあると思っています。みんなが集中して、守備から攻撃にということが出来たのではないかなと。今シーズンは、失点が多かったことが結果に出てしまっています。大量失点が多くて、完封試合数などは悪くなかったと思いますが、1点取られたからといって焦ってしまったり、そういうところをまた来年、盛り返していくことが出来ればこの順位ではなく、もっと上の順位で戦えると思います。今日一日しっかりみんなで喜んで、しっかりリフレッシュして、また来シーズン、良い入りをしたいです。自分自身、今シーズンはリーグ戦全試合に出させてもらった中で、失点数やこの順位というのは責任を感じています。ただ、ジュビロの良いところはチーム一丸となって戦えることです。そういうものが今日出たからこそ、みんなが良い試合の入り方が出来たのだと思います。

田口 泰士

田口 泰士

選手

──この結果を振り返って

ホッとしています。終わった瞬間はやっぱり嬉しかったですし、チーム全員、そして今日スタジアムに来てくれたサポーター全員、本当にジュビロに関わる全ての人たちと一緒に勝ち取った残留だと思っています。

──この1週間、どんな準備をしてきましたか?

最初は気持ちの切り替えが、正直一番難しいところでした。ただ、前向きに捉えて、しっかりチームで戦っていこうという話をしましたし、みんなが同じ目標に向かって取り組めたことが今日の結果に繋がったと思います。

──直接決めたFKの場面を振り返って

あのシーンは、(山田)大記さんがファーを狙えばというようなことを言ってくれました。自分を信じてファーに蹴ったら入ったので良かったです。今シーズンは一年間を通してFKの練習を毎週やってきました。やっていくにつれてだんだん自分も自信を持てるようになってきました。その積み重ねが今日、自信となってボールに伝わったと思います。

──チームとしての決めごとはありましたか?

相手はポゼッションをしてくるということは分かっていたので、まずはゴールキックだったり相手のビルドアップを自由にやらせないようにしようということ、前線からの守備というのをチーム全員で意思統一させて、練習からやってきました。

──今シーズンを振り返って

苦しいシーズンになってしまいましたが、今日の試合といい、必ず来年以降に繋がるシーズンだったと僕自身思っているので、この経験を活かして来年以降もっと良い成績を残せるように取り組んでいきたいと思います。本当に、J1かJ2かという今日のようなゲームを経験したことは、自分自身もチームにとっても必ずプラスに活きてくると思っているので、この苦しみというか、難しい状況というのを経験したことによって、また来年、絶対に同じことをしないようにとみんなが思って、強い気持ちを持って取り組んでいきたいと思います。

アダイウトン

アダイウトン

選手

──長いリハビリを経て、大事な試合での復帰となりました

長い間プレーをしていなかったので、少し息が上がることもありましたが、出来る限りチームの力になろうという心意気でピッチに入りましたが、少しは力になれたのかなと思います。日本に帰ってきてから、日々みんなの力を借りることになっていたので、なんとか恩返しをしなければいけないと思ってやってきて、少しでも力になれたならば本当に良かったです。

──今シーズンを振り返って

個人的にもチームとしても非常に厳しい一年になりましたが、こういう苦難を乗り越えないと、強くなれません、来年は試練を乗り越えた経験を活かして、失敗を成功に変えて、また戦いたいと思います。自分が怪我をした時には、本当に多くの方々からメッセージをいただきました。サポーターの皆さんには、心の底から感謝しています。

小川 航基

小川 航基

選手

──この結果を振り返って

難しい試合になるというのは分かっていました。こうやって結果がついてきたので、今はすごくホッとしています。

──PKの場面を振り返って

まずは、(山田)大記君が前を向いた時にはいつもすごく良いボールが出てきますし、信じているので、あの場面も裏に抜け出しました。タイミングよく手前で少し触れたので良かったと思います。

──サポーターの皆さんの声は届いていましたか?

本当に、今年一番すごかったと言っていいくらいの声援をもらいましたし、気持ちがすごく伝わってきたので、その想いに自分たちも応えなければいけない、という気持ちにさせてくれました。とにかく自分もチームの助けになれるように、この試合で全てが決まるので、足が取れてもいいというくらいの気持ちで、走って前からプレスをかけていこうと思っていました。サポーターの皆さんは、なかなか上手くいかない時でも、前を向いてすごい声援を送ってくれていたので、その気持ちに応えなければと。本当に、感謝の気持ちを伝えたいです。

山田 大記

山田 大記

選手

──この結果を振り返って

とにかくホッとしたというのが正直な気持ちです。もっと嬉しいかと思ったのですが、安堵というか、本当にそういう想いでした。

──この1週間は、どのような準備を?

まずは精神的な切り替えをしっかりすることと、相手もすごく勢いに乗っているので結果がどうなるかというのは正直分からない部分もある中で、やれることにフォーカスすることを大事にしていました。プレッシャーを色々感じる選手もいたと思いますが、自分たちがどういうサッカーをするのか、例え結果が悪い方向になってしまったとしても、悔いの無いサッカーをしたいという想いがありましたし、そういう気持ちでピッチに入りました。とにかく前から積極的にプレスをかけて勝ちに行くこと。勝ちに行った結果、打ち合いになって負けるなら悔いはないという想いも正直ありましたし、打ち合いになっても勝てる自信がありました。守りに入って0対0のまま試合が進むと、相手にとったら行けるぞという雰囲気になってしまいます。そういう意味でも前向きな攻撃、前向きな守備ということはすごく意識していました。

──PKとFKに繋がった場面など、攻撃面での活躍も素晴らしかったと思います

PKになった場面も、FKになった場面も、どちらも(小川)航基との関係から生まれた得点になりました。試合後に、「僕たちって気が合うんですかね?」と言ってきたのが、ちょっと(笑)。PKに繋がったパスは、少しタイミングが遅れてしまって強いパスじゃないと通らなかったのですが、航基が上手く触ってくれたので良かったです。

──サポーターの皆さんの声は届いていましたか?

もちろん、僕たち選手も不安だったり負けることへの恐怖を抱きながらという中で、そうした気持ちを前向きにさせてくれるのがサポーターの皆さんの声ですし、今日スタジアムに着いて、皆さんの姿を見て、「絶対に勝つぞ」というポジティブな気持ちだけを持って試合に入ることが出来ました。本当に感謝しています。

上原 力也

上原 力也

選手

──この結果を振り返って

上手く切り替えて試合に臨むことが出来て良かったと思います。ヴェルディはゴールキックもビルドアップもそうですが、ショートパスが多かったりという部分はみんなが統一して意識することが出来ましたし、みんなで連動して統一して、守備で前から仕掛けることが出来たことが良かったと思います。先制点はどんな試合でも大事ですが、今日に関してはものすごく大事になってくると思っていたので、やっぱり取るべき人が決めるとチームも改めて引き締まるというか、良い人が決めてくれたなと思います。(川又)堅碁君が怪我をしてしまった中で、(小川)航基自身もこのチャンスを活かしたかったと思いますし、僕だったり(大南)拓磨や航基を大事なゲームで使ってくれた名波さんへの感謝というか、そういう想いを試合で表さないといけない中で、大事な先制点を決めてくれて本当に良かったと思います。

東京ヴェルディ ロティーナ監督

──試合の総括

前半は試合の重要性からか、ナーバスになって簡単にボールを失ってしまうシーンが目立ちました。ジュビロはプレスからボールを奪った後に良いプレーを持っているというのは分かっていました。PKを決めてから、相手の選手はより自信を持ってプレーしていたように感じます。後半は我々がボールを持って良いプレーが出来たのか、それともジュビロが自陣に引いたプレーを選択したのか分かりませんが、ボールを持って相手陣地に侵入していくことが出来ました。そうした中で奪われた2点目というのが、可能性がほぼなくなってしまったので、すごく痛い失点になってしまいました。