後藤 啓介選手 移籍記者会見
藤田俊哉スポーツダイレクター
この度隣にいるジュビロ磐田の後藤啓介選手が、ベルギーのRSCアンデルレヒトに期限付き移籍をすることになったことを今日この場でご報告します。この間、彼とここに座ってジュビロでシーズンを迎えると言っていたと思うのですが、あっという間にこういう機会になって、フットボールのスケジュールとかそのテンポの速さ、成長速度を改めて感じています。この感覚って自分が名古屋グランパスに移籍したときに入ってきた本田圭佑や吉田麻也、彼らの成長速度を見ている感じがして、きっとこの後藤啓介もそのように大きく羽ばたいていくんだろうなと、そんな楽しみを持ちながら、寂しさも合わせて、今そんな心境です。僕の方からはこれくらいで十分かなって。そういうことです。
後藤啓介選手
この度、ベルギーのRSCアンデルレヒトに移籍します。1シーズンという短い期間でしたが、たくさん成長できましたし、たくさん試合にも出してもらったので、良い経験ができて、向こうでもより一層活躍できるように頑張ってきたいと思います。
質疑応答
――ベルギーに決めた理由とチームの印象を教えてください
後藤選手:
いくつかオファーが夏にもあったのですが、その時点では行けないとオファーが来たクラブには言っていたのですが、その中でRSCアンデルレヒトは冬まで待つと言ってくれたので、もうそれならお願いしますという感じでRSCアンデルレヒトに決めました。ベルギーの印象としては、日本人も多くいますし、5大リーグにステップアップするためのリーグなのかなと思っています。でもレベルはすごい高いですし、自分が成長するためにはすごく良いところかなと思っています。
――現地報道だと背番号が42に決まったと。背番号に込めた思いは?
後藤選手:
42で決定していますし、自分は42が好きなので良いなと思っています。込めた思いというか、ジュビロで1年目でつけた番号ですし、今年色んな思い出がある番号になったので、向こうでも同じ気持ちで戦えるように42番にしました。
――ベルギーでの1年目の目標を教えてください
後藤選手:
環境が変わって、言葉の壁というのもあるので、まずは環境に慣れることが大事です。1日でも早くピッチに立ってゴール決めて、ジュビロのファン・サポーターの皆さんにたくさん良い報告ができるように頑張りたいです。
――ジュビロへの思いを改めて
後藤選手:
スクールからトップまで色々なコーチに教わってきたので、そのコーチの方々だったりクラブ関係者の方々にはすごく感謝しています。ずっと見てきたクラブだったし応援してきたクラブだったので、少し寂しい気持ちはありますが、自分が決めた道なので頑張りたいと思います。
――わずか10ヶ月前にここで新加入会見を行い、同じ年に海外移籍会見というのはジュビロ史上初めてのことだと思いますが、そういう未来は思い描いていましたか?
後藤選手:
全然思ってはなかったですが、早く海外に行きたいと思っていたので、すごく良い形だなと思います。
――そういう未来になるようにご自身で努力してきたのですね
後藤選手:
ラッキーな部分が多いですが、常にこうなるように準備はしていたので、それが早まって良かったなと思います。
――藤田俊哉さんからはアドバイスのようなものを送っているのでしょうか?
藤田スポーツダイレクター:
そうですね。海外での挑戦について、彼の思いも入団当初から聞いていましたし、実際彼も先ほど話しましたけど、夏の段階ではやはりクラブの事情もあったりして少し延期になって今になったという経緯があるので、精一杯プレーしてくれると思います。この磐田からたくさんの声援がきっと彼に向けられるだろうし、みんな楽しみにしてるし、すごく大きくなった姿でまた彼を迎え入れられたら我々も嬉しいなと思います。
――ジュビロサポーターも寂しいけど送り出そうという想いだと思います
後藤選手:
U-18のときから応援してくれてた人もいますし、自分が小学校のときから知っていて応援してくれる人もいて、今シーズンから応援してくれてる人もいる中で、ジュビロでプレーする期間はあっという間でしたけど、こんなにたくさんの人に応援してもらえるっていう幸せを実感できたのは皆さんのおかげです。その皆さんに活躍してる姿だったり頑張ってる姿をたくさん届けたいと思っているので、応援してくれたら嬉しいです。
――U-22日本代表の大岩監督に後藤選手は候補に入っているかを尋ねたら、当然ですとおっしゃっていました。パリ五輪やW杯に向けてどのようなビジョンを持っていますか?
後藤選手:
パリ五輪は狙っていますが、まずそこに行くためにRSCアンデルレヒトで結果を残し続けないといけないと思いますし、トップチームでより多く試合に出て活躍しないといけないと思っているので、パリ五輪を見据えるというよりは、早く環境に慣れて1日でも早く活躍するのが今の目標ですね。
――RSCアンデルレヒトのHPを拝見すると最初はセカンドチームへ加入するように書かれていたと思いますが、今のビジョンは?
後藤選手:
どっちでプレーするかまだ分からないですが、どっちでプレーすることになっても自分のやるべきことは変わらないので自分の良さをどんどん発揮して、セカンドチームからなら早くトップチームに行けるように頑張るだけですし、トップチームならどんどん試合に出て得点に絡み続けるということが大事かなと思います。
――アピールしたい自分の良さを改めて
後藤選手:
背後への抜け出しが一番ですが、守備でのプレスバックだったり、前線から追うっていうのも自分の特徴なので、そこをどんどん発揮できたらなと思います。
――野暮な質問かもしれませんが、10代で海外に飛び込む不安はありますか?
後藤選手:
もちろん不安なことは多いですけど、それも含めて楽しめたらなと思っています。
――どういったところが不安ですか?
後藤選手:
やはり一人で生活するということと、コミュニケーションが難しくなるというのは不安ですが、そこはなんとかジェスチャーとか簡単な単語で乗り切れたらなと思っています。
――ベルギーに渡った日本人選手とコンタクトを取ったりしましたか?
後藤選手:
いや、特にありません。ほとんどがシント=トロイデンVVの選手ですし、そこまで直接関わった選手がいるわけではないので。
――ジュビロの選手に色々相談したりアドバイスをもらったりしましたか?
後藤選手:
(松原)后君がベルギーにいたので、オファーが来たときは后君に相談しながら、どういう街なのかとかどういうクラブでどれくらいサポーターが入るのかとか色々聞いて、そういうのを含めて決めたので、后君のおかげだなと思います。
――松原選手は何と言っていましたか?
後藤選手:
ステップアップするにはすごい良い環境だし、RSCアンデルレヒトも世界のビッグクラブだから行けるなら行った方が良い、すごく良いチームだからという感じでした。
――ステップアップという話もありましたが、今後の海外でのビジョンはどう描いていますか?
後藤選手:
まずは本当にRSCアンデルレヒトで活躍しないと5大リーグだったり良いクラブには行けないと思っているので、まずはRSCアンデルレヒトで活躍することです。ただ、いずれは皆さんが知っているようなクラブに行きたいですし、そこで活躍したいなと思います。
――サッカーからは離れますが、日本からこれだけは持っていきたいなというアイテムはありますか?
後藤選手:
実際に行ってみて、欲しいなと感じたのは炊飯器ですね。一個あるだけで白飯が食べたくなったときに食べられるので、ふりかけとか炊飯器とかは持って行きたいなと思っています。
――向こうの食生活で不安はなかったですか?
後藤選手:
好き嫌いは多いのですが、すごい美味しいものばかりだったので合ってるなと思いました。
――駄菓子は持って行きたいですか?
後藤選手:
持って行けるだけ持って行きたいですけど、ほどほどにして向こうのお菓子を上手く取り入れながらという感じですかね。
――実際にメディカルチェックに向こうに行かれたと思いますが、街の雰囲気などはどう感じましたか?
後藤選手:
街はブリュッセルなのですが、すごく綺麗でしたし、住みやすそうだなと思いました。
――実際行って、ここからやってやるぞという気持ちになったり、感じたことはありましたか?
後藤選手:
始まるなということを感じましたし、試合も見させてもらったのですが、もっともっと強度だったりフィジカルを上げていかないといけないなと思ったので、そこは残り1ヶ月くらいこっちでできるだけ成長して、早く向こうで溶け込みたいなと思いました。
――この1年間を振り返ってどうでしたか?
後藤選手:
すごい本当に充実したシーズンだったなと思います。日程を見たときは長そうだなと思ったのですが、あっという間でした。
――その中でも一番思い出に残っている出来事は?
後藤選手:
最初と最後ですかね。開幕戦と栃木戦です。開幕戦に関しては点が取れて良かったですが、負けて悔しい思いもしたという感じで、最後は1年間やってきたことが報われたというか、チームとしての目標が達成できたので、最初と最後が思い出です。
――不安も含めて楽しみたいとおっしゃっていましたが、サッカー以外での楽しみはありますか?
後藤選手:
美味しそうなワッフル店を見つけたらぶらぶら入ろうかなぁという感じです。
――藤田スポーツダイレクターに伺います。後藤選手の海外移籍もあり、前線の補強は来季へのポイントになってきそうですが、今どんなプランを持っていますか?
藤田スポーツダイレクター:
もちろん、枚数が足りないなというのはあります。ただ、こういうサイクルがフットボールのサイクルだと自分では思っているので、そこに対応できるような準備をしますし、このチームがそういうマインドでこれから進んでいくことが重要です。彼の成長を我々の刺激にして、自分たちもまた成長していきたいです。このジュビロに関わるファン・サポーター、様々な皆様に彼を通して世界を感じてもらいたいですし、また旅をする機会にもなるだろうし、何かそういった様々な広がりができるような、世界と日本を繋ぐ一人になってくれるだろうなと。そういうポジティブなことをたくさん考えて、自分はしっかり現実を見つめて準備していきたいなと今思っています。